第8話 彼女はチアリーダー

 全校生徒が校庭に大移動。


 体育祭が始まった。


 吹奏楽部の演奏が響いて、ユニフォーム姿の彼女が最前列でバク転する。

 さっきまで泣いてたのに、もう笑顔で元気。


 陽光に反射する白いチアのユニと生足が眩しい。


 軽快なリズムに乗って、華麗に舞う。

 ポンポンが跳ねて、髪が風に揺れる。


 俺は彼女ばかりを見ていた。

 『私だけを見てて』なんて言うから。


 だから気付いたんだ。

 彼女だけが、他とちょっと違う動きを挟むのを。


 体形移動する一瞬の隙に見せる動きは、俺へのメッセージだ。


 L


 O


 V


 E


 ラブ……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る