第13話大晦日
私は佐伯家にお邪魔して、佐伯の手料理をよばれていた。
私は友人宅で泊まると両親には伝えた。
河合だと伝えたが、疑われた。私は事前に彼女へ裏工作を行ってもらえるように頼んでおいた。
その際に河合から一言余計なことを言われた。
『——。レイの人妻のとこねぇ……まぁ、精々親にバレないようにやんなさいよ。上手くいくよう、祈ってるわ』
アンタに言われたくないわぁっ、と叫びたいのは山々だったが、彼女の恋人とイチャコラしてたので控えた。
友人の艶かしい喘ぎ声というものは、なんだかアレだよね……
まあ、それはそれで……私は佐伯が用意してくれた豪華な夕飯に舌鼓をうっていた。
「美味しい、紀香が作ってくれた料理ぃ〜!羨ましいなぁ、紀香の料理が毎日食べられる佐伯家はぁ〜!!」
「嬉しいわ、そう言ってもらえて。まだまだあるから遠慮なくおかわりしてね、瑠美!子供達や旦那は慣れてるからそんなこと言わないのよねぇ……張り合いないわ、ホントぅ。それに比べて瑠美は褒めてくれるから、ほんと嬉しいわ」
「はははぁ……耳が痛いぃ。ママに感謝してないしぃ……うぅぅ。それより……そのお子さんや旦那さんはどうしたの?」
私は苦笑を浮かべ、呻く。
BGMとして流れる紅白の歌手の上手い歌唱に、私の聞くにたえない呻き声が混じる。
私と佐伯は二人してテレビの方へは一度も顔を向けずにいた。
「まぁ、私も実家で暮らしてた時はそんなもんだったからそこまで落ち込まなくてもいいんじゃない、瑠美。家事を毎日せざるを得ない生活がくれば分かるもんね、こういう気持ちってのは。あぁ……旦那は実家がある富山県に帰省してる。嘘ついて、子供らを押し付け、瑠美と年末を過ごしてる。瑠美こそ親御さんと過ごさなくて良かった?」
「良いんですっ!紀香と一緒に過ごす方が楽しいんだから。びっくりです、旦那さんは富山の方なんですね……紀香はどこなんです、実家があるのは?知りたい、教えて!」
「アハハ……富山なんだよね、旦那は。まぁ教えてもいいけど、秘密ぅ〜っ!その内、瑠美を連れて行っても良いわね、私の故郷に」
「紀香のケチぃ〜!今ぁ教えてくれたって良いじゃん!ま〜楽しみにしてるっ!」
私はダイニングテーブルの下で両脚を幼児のようにばたつかせた。
私と彼女は顔を見つめ合いながらけたけたと笑っていた。
20時30分頃に夕食を食べ終え、二人でシンクの前で食器類を洗い始めた。
休憩を挟んで、21時20分頃に彼女が寝室で愉しもうと提案して、私は従い、彼女の背について行き寝室に上がり、室内を暖めてからベッドで全裸になって営みを始めた。
お互いに絶頂かしあい、何度も喘ぎ果て、22時30分を経過することに気付き、浴室へと向かった。
浴室でも相変わらず、愉しむ私たちだった。
23時15分頃に年越しそばを食べ始めた。
私は佐伯紀香と年越しのカウントダウンをして、新年を迎えた。
痴漢してきた彼女に堕ちた私はおかしいですか? 木場篤彦 @suu_204kiba
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。痴漢してきた彼女に堕ちた私はおかしいですか?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます