白木犀と芋のラブコメ小説

汐海有真(白木犀)

🍟

 私の名前は白木犀はくもくせい! 今日から『スウィートポ・テト高校』――通称テト高に入学しますよ〜!!!


 いやはや、私も晴れて女子高生ということで……このテト高できっと、最高の恋愛が待ち受けているに違いありません!!! いやはや、わくわくが止まりませんね〜(おいものポタージュをすすりながら)


 ふえっくしゅ〜ん!!! ハッ、なんかくしゃみが出ちゃいましたよ〜!!! ええと、ティッシュティッシュ……おっと、家に忘れたか!?


「よければ僕のティッシュ、使うかい?」


 ハッ、ありがとうございま……


 ……めちゃめちゃデカいさつまいもに、ティッシュを差し出されていますよ〜!!!(衝撃!!!)


 いや私の身長くらいあるじゃないですか……ギネス記録取れますって……さつまいも長さ部門で……


「あ、ありがとうございます……」

「気にしないで。ところで君……とっても可愛いね」


 どう見ても目ないけれど、見えてるんですね……(うなずき)


「そ、そうですかね? ありがとうございます……」

「あ、自己紹介が遅れたね。僕の名前はサツマイモ。高校二年生だよ、よろしくね」

「よ、よろしくです……私は新入生の白木犀と言います」

「ハクイモクセイさんとおっしゃるんだね」

「私の名前に芋が入り込みましたよ〜!!!」

「よろしく、ハクイモさん」

「芋みたいになりましたよ〜!!!」

「君とはこれから、何かありそうな気がするな。楽しみだよ……ふふっ」


 そう言って去っていくサツマイモさん。


 まあ……ティッシュくれたのはありがたいですよね……春は花粉の季節ですし……


 ……と思っていたら、雨が降ってきましたよ〜!!!


 今日天気予報晴れだったじゃないですか!!! 降水確率0%だったじゃないですか!!! 傘ねえ!!!


「おい、お前。俺の傘……使うか?」


 おおっ、ありがとうございま……


 ……めちゃめちゃデカいじゃがいもに、傘を差し出されていますよ〜!!!(衝撃!!!)


 何というか……すごい大量のポテトサラダができそうですね……ごくり……


「いやでも、この傘借りちゃうと貴方が濡れちゃうような……」

「気にしなくていい。俺……雨が好きなんだ」


 まあ確かに、野菜ですもんね……(うなずき)


「た、助かります。ありがとうございます……」

「気にするな。……あ、俺はジャガイモ。新入生だ」

「私は白木犀、同じく新入生です」

「へえ、ハクモクセイモっていうのか」

「さっきとは違うバージョンで芋が入り込みましたよ〜!!!」

「よろしくな、クセイモ」

「なんか癖のすごい芋みたいな略称付けられた……」

「何だか……お前とは、また会う気がするな」


 そう言って去っていくジャガイモさん。


 ……薄々、勘付いてきましたが……



 もしかして私にフラグが立つの、芋だけなんですか〜!?!?!?



 そっ、それは困りますよ〜!!! 私は芋を食べ物として見ることしかできない!!! 芋は、美味いですよ〜!!!(さけび)


「ねえねえ、そこの君! どうしたのさ、ぼうっとして!」


 ハッ……今度こそ、人間かっ!?!?



 ┏(┏╮╯👁╭)┓イモォ…



 オワーーーッッッ!!! 芋の化け物ですよ〜!!!


 *・*・


🌿☁️(はくも)「……という、夢を見たんですよね……」


🐙(上位存在)「きっと、疲れているのですよ……」



――――完

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