第4話 日常的な反乱

桐山「しっかし広い家だな」


閻魔が居なくなってから桐山は1人で家の中を散策していた。


──そう言えばさっき武器庫があるとかなんとか言ってたな


桐山「家の中の設備も一通り確認したし噂の妖武具とやらの確認にでも行くか」


桐山が家の中でまだ唯一開けていない扉を開け中に入った。


桐山「ほ〜!こりゃすっごいな」


中には見た目は何の変哲もない殺し屋にとっては見慣れた凶器の数々が並んでいるだけだったが、桐山は確かにその武具達の纏う異質な雰囲気を感じ取っていた。


桐山「使い方は現世の武器と変わりなさそうだなこれとかまんま銃だし」


桐山「お!日本刀あんじゃーん」


そう言って手に取った日本刀は光に当たって鈍い青色に煌めく。


そうして妖武具を見ていると外から人の叫び声が聞こえてきた。

 

桐山「何の騒ぎだ?」


日本刀を持って急いで外に出るとそこには目を切られた痛みで地面をのたうち回る獄卒とそれをあざ笑うかのようにカマキリのような腕を振り上げる男が居た。


/


〜遡ること少し前〜


獄卒「さっさと立て!クズが!脱走を計画した貴様の刑罰はまだ終わっていないぞ!」


広口 ──クソが!あと少しの所だったってのに!せめてこの能力が使えなくなる枷さえ無けりゃこんな野郎ぶっ殺せるってのに


獄卒「随分反抗的な目だな」


広口「うるっせぇ!テメェ覚えてろよ!この枷が外れたらテメェをあのクソ上司みてぇに切り刻んでやるよ!」


獄卒「その減らず口二度と聞けぬようにしてくれる!」


そう言って獄卒が振り上げた金棒が当たったのは広口の口では無く強堅そうな枷と広口の左腕だった。


広口「やっと能力が使えるぜ!左手はオシャカだがテメェを殺すにゃ十分だ」


獄卒「な!?しまっ」


広口「遅せぇな!」


直後獄卒の両眼目掛けて広口のカマキリのような腕の銀閃が飛ぶ


獄卒「ぎゃあああああああああ!!!目が!俺の目がぁぁぁ!」


広口「良いご身分だぜ?獄卒さんよぉw死ねぇ!」


桐山「何の騒ぎだ?」


広口「あぁん?誰だテメェは?」


桐山 ──何だあの腕?あれが天恵能力か?でも今はそれよりの地面に転がっている奴が拙いな…目を切られてる、あの雰囲気だと早くしないと失明する恐れもある、時間はかけない、最速であの男を潰して怪我人を医療機関の場所が分かる奴に引き渡す


広口「シカトこいてんじゃねぇぞ!テメェから俺のカマキリの能力と螳螂拳でぶっ殺してやる!」


桐山「邪魔だ素人」


振り上げた広口の腕が桐山の首目掛けて飛んだ刹那、広口の腕が逆方向に折れ曲がり骨の折れる鈍い音がした。


広口が叫び声を上げるよりも早く桐山が懐に入り込み広口の喉に日本刀を突き刺した。


すぐに桐山が獄卒の元に駆け寄った。


桐山「すぐに運びます!道案内をお願いします!」


獄卒「ありが…とう…近くに他の…獄卒が居るはずだか…らソイツに俺を…引き渡してくれ…」


桐山「分かった」


その後獄卒は医療機関で治療を受け視力も回復しつつあるとのこと。


/


〜数時間後〜

閻魔大王「すまないな、とんだ雑用をさせてしまった様だ」


桐山「いやいや…雑用って…1人殺したんだが?」


閻魔大王「散々殺した男が今更何を言う」


閻魔大王「まぁ今回の件の補填は後々するとして…桐山、お前の天恵能力を開花させるための師匠的な奴を連れてきた」


閻魔大王「入って来てくれ」


黒凪「初めまして桐山殿、四級獄卒の黒凪と申します」

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地獄の殺し屋 @raizekusu

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