第3話 地獄のあれこれ
閻魔大王「依頼を受けてくれた事だし地獄のいろはを教えるとしよう…の前に」
桐山「の前に?」
閻魔大王「場所を移そう」
そう言うと閻魔大王の足元から紫色の炎が立ち込めあっという間に2人を包んだ。
/
周囲を包んでいた炎が消えると赤黒く荒廃した大地と打って変わって貴族が住むような豪勢な部屋に移動していた。
桐山「うおっ!瞬間移動した!」
閻魔大王「さて、ここなら邪魔は入るまい」
閻魔大王「それでは…」
閻魔大王「地獄勉強会を始める」
そう言って指を鳴らすと地面からホワイトボードが生えてきた。
閻魔大王「それではまずお前が一番聞きたいであろう地獄での主な攻撃手段だ」
閻魔大王「攻撃手段は大きく分けて3種類ある、【妖術】・【妖武具】・【天恵能力】だ」
閻魔大王「まず【妖術】、これは基本技術だな、修練さえ積めばほとんどの者が出来る事であり手軽ではあるものの殺傷性が他の2種類よりも低く戦闘での実用性が無い物もある」
閻魔大王「次に【妖武具】、これはその名の通り武具だな、ただ先程も少し言ったが地獄では現世の武具がほとんど効果を成さないんだ、この妖武具を除いてな、妖武具を使えばお前達が現世で武器を使った時の様な破壊力がある、まぁ中にはそれを承知の上で現世の武器のみで敵を殺すドの付く変態も居るがな」
桐山「マジかよ…そんな変態には絶対会いたくないもんだな」
閻魔大王「そして最後はここ地獄において最も効果的な攻撃手段、【天恵能力】この力は死者や妖が初めて地獄に来た時に一部の才ある者にのみ送られる常軌を逸した力だ、ただどういった能力かは完全ランダムだから注意してくれ、ちなみに同じ能力を持つ者が複数人居る場合もあるぞ、1人が持てる最大数は5つとされている、なお共食い、即ち殺した相手の魂を吸収し自身の魂の格が上がると能力が増えたり既に持っている能力の性能が底上げされたりもする」
桐山「ん?ちょっと良いか?」
閻魔大王「なんだ?」
桐山「1人が持てる最大数が5つと″されている″ってのが引っ掛かる言い方なんだが」
閻魔大王「それはな大昔元々能力というのは最大所持数が2つまでだったからだ」
閻魔大王「だがある時能力を3つ持つ者が現れた」
閻魔大王「その者の名はアーロン・コスミンスキー、誰でも分かる名で言うならジャック・ザ・リッパーだな」
閻魔大王「ジャックを始めとして以来能力の所持数はどんどんと増えていき現在の5つになったのだ」
桐山「成程な、いきなり増えるから能力の最大上限数が誰も分からないわけだ」
桐山「ところでその天恵能力ってのは俺には宿ってるのか?」
閻魔大王「あるぞ、ただどういう能力かまでは分からんがな」
閻魔大王「まぁ能力があるってことは使えるという事だ、お前はまだ地獄に来たばかりだし、今後修練や模擬戦、あるいは実践の場で能力が開花することもあるだろう、しばらくは妖武具でも使っておけ」
その後桐山は閻魔大王から罪を犯した囚人とそれを罰する獄卒の事などの説明を受けた。
閻魔大王「あ そうそう言い忘れていたが地獄でのお前の家はここになる、武具庫も隣接して居るから好きに使え、私はこれから閻魔の仕事に戻る」
桐山「おう、あんがとさん」
桐山がざっと部屋を見て呟く。
「それにしてもこの家、窓の外の景色が罰を受けてる人間って事意外は良い家じゃねぇの」
こうして桐山の第2の殺し屋人生(死んでるけど)が始まった。
/
???「あれ?手錠外れるじゃん」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます