第1話 続き



「王妃様、力んで、そのまま、そのまま!!」


「お医者様が到着されました!」


「陛下が来られした!」


外がうるさい、それに息がしづらい、、外に出たい、苦しい。


「頭が出ました!まもなくお生まれになります」


「王妃様、息を吸って吐いて」


「スゥゥ〜、フゥゥ〜、ゔぅ〜」


「良い感じです!後もう少し、後もう少し!」


息がしやすくなり、外の声を聞こえやすくなったかと思った瞬間、身体がスルッ動いた。

スルッ


「お、おめでとうございます!第10子のお生まれでございます」


「ハァ、ハァハァ、ハァハァ、ハァ、よ、良かった」


「アーシェ、良く頑張った。良く頑張った」


「オギャア、オギャア、オギャア」


うるさいけど、多分この泣き声あれなんだろうなぁ。だって俺目瞑ってても分かるしなぁ。


「アーシェ様、どうぞ抱きかかえて下さい」


「ありがとう、リージャン、この子、どっちかしらね?」


「どっちでも良い。俺らの大切な娘?息子?何だから」


「フギャフギャ、フギャ 、」


そう優しく言う声に釣られ、生まれたばかりの俺の目が開き、その目に捉えた2人の今世での両親の顔を見て俺は、固まってしまった。何故なら


「あぅ(ママ)!、あぁ(パパ)!」


前世での実の両親だったからだ。名前こそ違うし髪色や目の色は全然違うけど、でも声や顔は前世のままだった。俺は驚きのあまり、再び号泣。


「フギャフギャ、オギャア、オギャア(泣泣)」


「あらあら、ねぇ、この子の名前どうしますか?」


「名前か、う〜ん、、よし!アリスティア!アリスティア・エーフィルド。もう1つの名として、ユーアと名付ける。敬称はそうだな、リティ、リティアってもの言いな?どうだ?リティ」


笑顔で俺の頭を撫でる父の顔を久しぶりに見た。10年前俺以外の家族が俺の住んだ寮に来る途中で交通事故で亡くなった。祖父母も居なく、天涯孤独の身になった俺はとても頑張ったと思う。だから、ずっと見たかった父と母の顔を見れて嬉しいし、それにシエルは分かっててこの世界に転生させたんだろうな笑


「あぶっ!!」


「喜んでるわね笑元気に生まれてきてありがとうね。私の可愛い天使」


「では、詳しい検査などの諸々は後日行うのでよろしいでしょうか?」


そうお医者さんが言うと父は俺を1撫でした後、そちらの方に向かった。


「あぁ、性別やバース性、後は種族などの検査をお願いする。今分かってるのでも、獣人族とエルフ族の血は分かるからな」


「分かりました」


「リージャン様、そろそろ会議が始まります」


お医者さんが部屋から出ると同時に入れ替わりでスラっとした薄い水色の髪色の長髪を1つ結びにして、爽やか系イケメンの多分従者だろう人が入って来て、父に喋りかけた。

検査?はいまいち分からないが、後々分かることだろう。


「あぁ、そうか。アーシェ、俺はそろそろ行く。子供達は多分2日後には来ると思うから、ちゃんと休むんだぞ?乳母などにも助けて貰う様に、無理しない様にな」


「リージャン様、安心して下さい。私達、アーシェ様筆頭メイドのルーナと」


「アミーシャにお任せください」


そう濃いオレンジ色の髪色に三つ編みをして、タレ目で少し幼い顔立ちのルーナと、紺色の髪色にハーフアップをして、つり目で大人っぽくクールな感じのするアミーシャ。2人共まだ10代半ば、中学生ぐらいぽいな。

そういや、パパ達が言ってた会話気になるけど、まぁ後で分かるんだろうな、何て思っていたら、気づいたらパパは既に部屋から居なかった。


「ティア、お姉ちゃんやお兄ちゃんとは2日後に会いましょうね。皆、優しいから」


「あぶっ!」


「フフッ、本当に可愛いわ」


「アーシェ様、産後ですので、お眠りください」


「そうね、暫く寝かせて貰うわ、ティアも寝ましょうね」


そう言いながら、俺をアミーシャに受け渡して頭を撫でるママの顔は正しく聖母である。ママに撫でられたからか、既に夢の世界に入って行っている。2日後に会えるのか、もしかしたらって事もあるんだよなぁ笑

何て考えていると、気づいたら眠っていた。




「可愛い〜!ねぇねぇですよ〜!」


「姉様、少しは声をおとして下さい。リティが驚いてますよ」


「エル〜、いちいち、言わないでよ〜、良いじゃん。可愛い兄弟がまた出来たんだから」

「それに、私はすでに嫁に言ってるんだよ?、またいつ来れるか」


「それなら、下の兄弟達にもリティと触れ合わせなさい」


「エル兄様の言う通り」


「ミリアまで!!」


「フィリ姉様、声がうるさい」


「可愛い、嬉しいな」


「ジュア兄様、新しい兄弟?」


「うん、メア、新しい兄弟だよ」


先程から、俺の周りに居るのは兄や姉達だ。そして、皆さんお分かりの様に、前世の兄や姉達である。

俺の抱っこしているのは1番上の兄でこっちでの名はエルリアと言い、現在18歳。幼い顔立ちだけどザ美少年でエルフ耳があり金髪碧眼だ。そしてその隣で騒いでいるのは1番上の姉で名はフィリルと言い現在20歳。綺麗系の顔立ちでスタイルも良く、猫耳と尻尾があり金髪の紫色の瞳。

エルリア兄様の隣には2番目の姉で名はミリスリアで、現在14歳。可愛くタレ目で目元にホクロがあり犬の耳と尻尾がある。銀髪碧眼。そしてその隣で俺を興味深く見ているのが2番目の兄で名はエリスジュアで現在12歳。良い意味で女顔で可愛らしくまつ毛が長く色白でエルフ耳。。金髪碧眼。

フィリル姉様の服を掴みながら、俺の顔を伺っているのは3番目の兄で名をイリスメアと言い、現在9歳。可愛いけどクール系爽やかって感じでエルフ耳がある。銀髪赤色の瞳。


「ママ様、今度いつ遊べますか!?」


「早く遊びたいです!」


「ママッ、抱っこ!」


「あらあら、この子達ったら」


「ママ、僕も〜(泣)」


我の母こと、ママが居るベットには3番目の姉で名はリリスミアと言い、現在7歳、その隣にその双子の弟で4番目の兄で名はレイリスと言う、同じく現在7歳。2人共可愛くまだまだ幼さが残り兎の耳と尻尾がある。銀髪紫色の瞳。

そしてママに抱っこされているのが4番目の姉で名はメイアスと言い、現在5歳。整った顔立ちで瞳が大きく綺麗と言いたくなるエルフ耳。金髪碧眼。そして、涙目でママに縋っているのが5番目の兄で名はユリスジアと言い、現在4歳。可愛い万歳で口元にホクロがあり猫耳と尻尾がある。金髪の赤色の瞳。これが、我が家の兄弟構成である。


「フィリル、子供達は?」


「家に居る。あの子達もそれなりに大きくなったしね。今度連れて来る。てか、ゼーガス様たら、まだ子供欲しいって言うのよ?もう3人居るってのに」


「姉様、グチは言わないで欲しい。下の子達が聞いてる」


「分かってる!そー言うエルはどう?」


「俺は、まだ2歳だ。それなりにのびのび暮らさせてる。俺自身、王太子でもないしな」


「え?でも、最有力候補ってエルなんでしょ?」

「ミリアとイリアは王位に興味ないって言ってるし」


「うん、興味ないよ。私はのびのびと生活出来れば良いし、婚約者と早く結婚したいし」


「僕も今のところ興味ないよ。王位とか堅苦しそうだし」


「だってさ、そこんところどうなの?母様!?」


そう、俺王族らしい。詳しい事は昨日あまり寝付けなかった時、ルーナが俺が居る国の事を教えてくれた。

「私達が暮らすこの国はジーリン王国は4つの国に囲まれた5大王国の1つで、様々な種族が暮らし、みんなが共存しあって暮らす国。

この国の国法で戦争は吹っ掛けない。吹っ掛けられたら、折れるまで叩き戦意をなくす、と言うルールや種族関係なく仲良く暮らし、差別をしてはならないって言うルールがあるんです」

と、言ってくれた。俺はまだちゃんとした性別が分かっては居ないが、第六王子か第五王女って言う立場になるらしい。


「私に聞かれても困るわよ」

「リージャンはエルがやりたければやらせるって言ってるし、まぁ、あの人まだ38歳だからやる気よ?」


「だそうだ。俺は父様の意向に従う」


「エルが言うなら、良いけど、」


「そう言えば、母様、リティの検査どうだったんですか?」


「あぶっ?(検査って生まれた時に言ってたやつ)」


話を変えるかの様に、エル兄様がアミーシャに俺を受け渡すしながらママにそう言う。


「既に全ての検査は終わってるわ。リティが寝ている間に終わらせたから」


「(ママン、せめて起きてる時にやってよ。知りたかった)」


「それで、この子は?」


「ちょっと待ってね」

「ルーナ、イリスから下の子達を部屋に帰らせて、ここからは真剣な話だから」


「「「「「えぇ〜」」」」」


「母様、僕も居たい」


「でも、 「僕だってもう9歳!」 はぁ、分かったわ、イリスは居ても良いわ」


イリス兄様の真剣な顔に諦めたのか、イリス兄様を抱え上げるママ。ルーナは「分かりました!」と言いながら、リリス姉様達を部屋に帰らせて行く。

それを見届けた後、少し真剣な顔をしながらママに聞くエル兄様に応えるかの様にママは棚から1枚の紙を出してそれをエル兄様に渡しながら、結果を喋った。


「えぇ、この子はΩ性だったわ。、、それがⅥ型だったのよ。あ、元の性別は男の子よ」


「えっ!Ⅵ型って最高ランクじゃん」

「てことは、魔力が多くて、性転換体質持ちで固有魔法5、6個は持ってるじゃん!」


「そうなのよ、私もリージャンも驚いたわ」


「(?????Ω性?何それ、、、、それって何、前世とかで見たオメガバースの事、、、、、、、、、、、、まさか、ここって、この世界って)」


「言いな〜、私なんてⅣ型だから、あんま魔力とか多くないんだよなぁ〜、」


「王族貴族でそれはヤバいだろうが、一般常識的に言えば良い方だぞ、それは」


「、、、、α性のⅤ型に言われたくない。はぁ、Ωとかαとかβって言うバース性作った神に会ってみたいわ!」


「会えるか」


「(オメガバースの世界じゃねーか!嘘だろ!普通の異世界に転生したかと思えばこー言う世界かよ!)」


「リティ様、話の内容分かってるかの様な反応してるわ」


「赤ちゃんでも分かるのかな!それともオムツ?」


驚き過ぎて多分顔が驚きと焦りが混じった顔なのだろう。アミーシャといつの間にか帰って来ていたルーナがこっちを見る。すると、ママが俺の方を見たきたので、アミーシャが俺をママに受け渡した。


「それにこの子、吸血鬼族、鬼神族、天使族、そして悪魔族の遺伝子を保有してるわ」


「エルフ族、獣人族以外に、4つも」

「、、まぁ、俺らが言えたギリではないか。エルリアとレイリスは吸血鬼族と鬼人族」


フィリルとリリスミアが悪魔族」


エリスジュアとミリスリアが妖精族」


イリスメアとユリスジアとメイアスが天使族の遺伝子を保有してる」


「あっ、それと私も天使族、リージャンは鬼神族の遺伝子を保有してるわ」


「あぅ!」


この事も昨日、ルーナが教えてくれた。

「稀に居るらしいのですが、他の種族との遺伝子を持って産まれる子供が居るみたいで、私やアミーシャ、王子様達もそれらに当てはまるらしいですね」

そう、ルーナとアミーシャはエルフ族と鬼神族の遺伝子を保有してる。ユリス兄様とメイアス姉様以外は認識阻害魔法をかけているらしいが、2人は髪型や服装などで隠しているらしい。


「10人兄弟の内6人がΩ、4人がαだもんなぁ」

「やっぱ、母様の遺伝子強めだな」


「姉様、言い方。確かに俺は顔や骨格以外は父様にだけど、」


「確かに、父様は男前って感じだけど、僕らあんまり似てないよね。まぁ、僕はΩだし」


「ジュア、悲観にならない様にね」


「なってないよ。ミリア姉様」


あんまり喋らないジュア兄様が声を出して何か思い出したかの様にフィリ姉様が声を大きく出した。


「あ、そうじゃん!ジュア!隣国の第1王子どうだった?!良い人?」


「へ?、う〜ん、良い人だったよ。優しかったし、そ、それに運命の番かも知れなくて」


「「「「「「!!!??」」」」」」


「本当!嘘、凄いじゃん!!」


「凄いわ、良かったわね」


「(運命の番って確か、番になると一生幸せで居られるみたいな事、本に書いてあったな、それにジュア兄様の顔、幸せそうだし嬉しそう)」


「じゃあ、そのまま番からの婚約?」


「う、うん、相手は俺の中等部進学まで待ってくれるみたい」


「良かったな。相手は確かミリア姉様の1つ上、」


「会った事あるけど、優しいそうだし紳士だったから私は安心だな」


「ミリア姉様が言うなら、安心かも」


「イリスの言う通り、何かあったら私にすぐに言いなよ!」


「姉様より先に俺に相談しなさい」


「ちょと、エル!?!」


何て会話を聞くと前世を思い出す。俺以外のみんなは前世の記憶がないって、分かってるけどやっぱり転生しても性格や仕草、喋り方って変わらないんだなってしみじみ感じて来る。


「あらあら、リティが驚くわよ。、さっ、そろそろ、貴方達も部屋だったり自宅に帰りなさい」


「あっ!私今日泊まる!ゼーガス様には許可貰いました!」


「なら良いわよ」


「よっしゃ!、エル、チェスします?」


「良いでしょう、現在俺の2999勝2998敗ですから」


「負けた数を多くしてやる!」


「うわぁ〜、、ジュア達、お姉ちゃんと一緒に部屋戻ろっか」


「は〜い、イリス手繋ごっか」


「うん!ジュア兄様と手繋ぐの好き!」


「アミーシャ、リティをお願い。私は今からリージャンのところに行って来るから」


「分かりました。アーシェ様」


「私も同行します!」


俺をアミーシャに受け渡した。そうして、俺とアミーシャ以外が部屋から居なくなり、アミーシャは俺の抱き抱えて、子守唄を歌った事で、深い眠りに着いた。
























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転生Ωはイケメンα達に溺愛されます 橋本衣 @yuitakahasi

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