まとめ

 感想、ネット覚えたての潔癖症女子中学生が精一杯背伸びして描いたそれっぽい恋愛ものもどき、スパイス未満な殺人を添えて、です。


 作者が知らないこと、興味ないことにはとことん無関心で薄味、描写も乏しい反面、よく知っている自分の内面描写と夢見るイチャコラはガッツリ濃厚で胸焼けします。


 好きなことは饒舌でそれ以外はダンマリというのはオタクに対するステレオタイプで、それを肯定的に描いてる、それもかなり濃密にたっぷりと、となればまぁ作者もそーなんじゃないかなーと、偏見です。


 読者に共感されるかというと、うーん。


 多感な少女ならば胸キュンキュンさせて「私も殺す!」ってなるかもしれませんが、あたま叩いて「いいからお風呂入っちゃいなさい!」て叱られたら消える程度だと思います。


 要するに私には理解の及ばない何かだったということです。


 それとここからは最後まで読んで気がついたことを少し。


 全体的にリアリティが乏しい感じがしてたのですがその理由がここにきてやっとわかりました。


 臭いがないんです。


 猫の死体、血のついたナイフ、ここらから発生する悪臭の描写がない。だから実物ではなく、検索した画像を映してるだけみたいな偽物感がある。他の描写同様、主人公や読者が嫌がるような嫌な、汚いものを書かない流れで臭いも書かない潔癖症、綺麗すぎて生活感がない感じです。


 その流れで思い出すのはヒロインの家、カレンダーに印がつけられるぐらい毎日小蝿叩いてる以上の描写が乏しいのは、まぁ汚いからなんでしょう。そういったヒロインを下げる事柄も、自己申告以外は全部カットというのも幼稚で、だから良いと有識者は熱く語ることでしょう。


 それと男の子、作中で完璧連呼されている彼ですが、こと運動に関しては全く触れてません。


 出てくるのは学校の成績とルックス、それとコミュ力、筋力や瞬発力や持久力みたいな、一昔前ならば「ば、ばかな! クマを素手で! それも指一本で仕留めたというのか!」みたいな運動できますよアピールゼロです。


 ただこれは世代なのか時代なのか、デジタルに機械化にと科学が発展して体を動かす必要性がないから運動無視しても完璧足り得る、汗を流すのは醜いとされる一種の価値観の現れなんでしょう。


 あとはもう書いてるかもしれませんが、実写映像が目に浮かぶような、の意味を取り違えてたのかもと。


 全体を通してのイチャコラってそれ自体に特別な表現方法がないんです。少なくとも上手いとか真似したいみたいなのはないです。


 その一方で描写不足は多くて、読者の中で補完してください、なのが多い。


 で、結果としてどこか見たことのある、初めて聞いた映画賞受賞した実写映画のワンシーンが連想される。


 皮肉としてならばまさしくなんだろうと。


 なので人工知能使えば過去映画のシーンだけで再現可能なんでは、と、難しいかったり個性的なシーンはないので。


 ついでに言えば実写映画化も簡単そうです。


 登場人物少ないし、地方の田舎ロケ地にすれば良いし、死体も流血も乏しいから特殊メイクやVFXも必要ない。低予算、新人女優とジャニー⚪︎ぶっ込んどけばの映画です。


 それでそれっぽい映像と音楽流しとけば意識の高い方々が褒め称えることでしょう。


 そういう意味では目に浮かびます。皮肉です。


 というか、ブルーライト文芸そのものが大人に媚びた感じがして嫌いです。


 大まかに言えば、青をテーマに、季節は夏、舞台は田舎、ヒロイン通しての消失の物語とある程度プロットが決まってるのがブルーライトです。


 構図はなろう系と一緒、それを過去の青春を思い返す大人にも通じる形にして流用する。


 書く方も簡単、読む方も安心、映画化も狙えてと、透明感の向こう側に薄汚い欲望がクッキリ見えてるのです。


 なんかそういうのに媚びる優等生、理想とする男の子も闘争本能の枯れた人当たりの良い優男で終わってる。奴隷が磨いた鎖の輝きに何を思えというのでしょう。


 価値のわからないものから、ひょっとしたら生産している側でさえ無価値と思えるものに常軌を逸した付加価値をふっかける、我ながらブルセラ文芸とはよく言ったものです。


 まぁ、誰もいない放課後の教室で女の子と二人きり、何気ない会話として巨大トンボの話をする物語で電撃大賞狙ってるどこぞの文化祭フェチは好きそうだなーと思いました。















 で、問題はこれからです。


 ここまでボロクソ書いといて次は、書きたくないけれど異世界転生ものやらないといけません。


 そのために今回学んだこと、キュンキュントキメク感じ、読者はとにかく嫌なものは見たくない、死体に臭いはしない、男の子は去勢して口だけにする、映画化しやすさも考える、と続くと地獄です。


 少なくとも現状プロットではどれひとつとして当てはまりません。もっと言えば異世界もののテンプレすら守れてないです。


 まぁ、約束された爆死です。


 …………憂鬱ですが強く生きていきます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

題名を伏せた読書感想文『若さ青春編』 負け犬アベンジャー @myoumu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ