理解できない 神奈川県庁の世界⑪
霧野 ぬん
第1話 もう、会議室、何とかしてください。
県庁の打ち合わせする会議室って、ひどい状況だって知っていますか?
誰もここまでひどい状況だって知らないでしょう。
まあ、一般の県民の方はどうでもいい話ですが。
あんなに大勢いる職員の県庁でぬんたちが自由に使えるのは何と3部屋。
他にも、本庁舎の大会議場とか、新庁舎の第5会議室とかあるのですが、大会議場は所属長以上が入った会議ではないとダメとか、新庁舎の第5会議室は神奈川県議会中は控室になるからダメとか、お決まりだらけなんです。
出先機関は、本当にいいんです。
狭いながらも何とか、部屋があるのです。
でも、本庁舎はひどいのです。
5から6人の会議なら小さい会議室なら何とかですが、ちょっと10~20人の会議なんて、2か月前から予約を入れなければ会議もできないのです。
会議室を予約する仕組みはこうです。
毎月1日、2カ月先の会議室をパソコン上で取るのですが、会議室を取る人は、8時30分になる前は集中し、静かに時を待ちます。
パソコンが固まってしまうくらいみんなで一斉に入力するんです。
1日(土日祝は次の日)の8時30分は、パソコンのキーを叩く音がバシバシと聞こて本当に静かな戦いです。
入力していても、固まっているから、自分が入力したのが取れているんだか、取れていないのかが不明です。
しばらくしてパソコンの画面が復活すると、自分がお目当ての会議室は取られてしまったりして。。。
その時は、会議室が取れなかったことをみんなに詫びます。
もう失意しかありません。
一縷の望みを持って、会議室の画面を見ると、「わ、空いてるっ!」と思って入れようとしますが、確かに会議室スケジュールに空間が開いているのに、入力すると「この時間は別の人が取っています。」と言うような赤字が出てきてしまうのです。
それなのに、又予約の画面を見ると、空間になっていて、一見、会議室が空いているんです。
「あれ、取られちゃっているの?」と言う感じです。
よく見ると、本当にみんな必要なの?と言うぐらい、終業時間の8時30分から17時15分まで取っていたりして。
せめて、午前中だけとか貸してぇとか思ってしまいます。
8時40分になると10分もすれば、2カ月先の1カ月間、びっしり土日祝日以外、全て取られている。
何か空しい。
安売りの2,3軒のスーパーを探して、探して、そしてその結果、「結局、買えなかったぁ。。」と言う無念さを感じるような気持に似ているのです。
もちろん各局にあるS務室とか、J事課とかは、電話一つで優先的に2か月前から、予約できるんです。
絶対的権力ですからね、この室や課の方々は。
打合せ会議だって仕事のうちなんだから、「会議室が空いている、空いていない」と言うような低いレベルから、部屋取りから始める職員が費やす時間もお金も無駄。
超ストレスですよ。
やはり税金をいただいて、働くぬんたちは、行政機関と言うのは、こんなに惨めなものなのでしょうか?
先日、どうしても急に20人ぐらいの打ち合わせをしなければならなくなって、その日に予約を入れているどこかの課の20代ぐらいの主事(電話だから詳しくは知りませんが。)に「何とか、貸してください。1時間だけでも。」とお願いの電話を入れたら、なんて言ったと思います?
「そんなに会議室を取りたいなら、こんな直前になって、人が取った部屋を簡単に借りようとしないで、2カ月前の1日に霧野さんも取ればよかったじゃないですか?本当に図々しい。」ですと。
そのたかびーな女性、腹が立ったな。
「2カ月前に決まっていたら、あなたにそんな嫌味を言われることなく、ちゃんと取りましたよ。」と言えたらなぁ、すっきりするんだけど。
開始時間や使用時間をさんざん聞かれたので、
「やったぁ。貸してくれるんだ。」と思ったら、何と次の言葉は、
「あー、やっぱり無理。霧野さん、諦めて」だそうで。
若そうな割には、態度が悪い。
でも、根本的に悪いのはこの主事の女性ではなく、県庁に会議室が少なすぎるのが悪いのです。
ちなみに、先日、小さな打合せで使用しようと、あのキングと言われている本庁舎(見た目が素晴らしくて、皆様が写真をよくお撮りになっている庁舎です。結構、ネズミが住んでいます。)の地下の会議室を借りたら、薄暗く、天井には多くの年代物の配管が背の高い職員なら頭ぶつけそうな部屋で、壊れたガラス置き場なのか、そのガラスが散らばっていて、悲惨な状況でした。
まあ、会議はどんな場所でもできると思うのですが、さすがに字が読めないくらい暗くて、ガラスが地面に落ちているような会議室は健康上良くないですよね。
精神的にも。
「神奈川県庁の会議室予約戦争は、終わり見えない」。と言うお話でした。
今日はこれでおしまい。
理解できない 神奈川県庁の世界⑪ 霧野 ぬん @kiri-nun
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