魅惑のマンダリンクラブ

芥子川(けしかわ)

魅惑のマンダリンクラブ

「『魅惑のマンダリンクラブ』へ、ようこそ」

(銅鑼の音が鳴る)


「あなたは、ここで世界の真実を知る事になるの…それは、とても甘美な響き…」

(シットコム風の笑い声がここから30秒パンニングし、突然フェードアウトする)


「ところで…気候変動の影響で『ヤッパガッチャ地方の伝承』が、史実として認められるようになったらしいわ」

(「あっ」という男性の声と共にビール瓶が割れる音が左から聞こえる)


「…あら、ごめんなさい。ウブなボウヤにはまだ早かったかしら…『ヤッパガッチャ地方の伝承』は…ウフフ」

(女性の声にAuto-Tuneとディストーションがかかった状態で左右パンニング)


「今から『魅惑のマンダリンクラブ』の入会の儀を執り行うわね…心の準備はいい?」

(ダミーヘッドマイクの右側の部分に、音叉を思いっきり叩きつけながら左側で般若心経を逆回転で再生させた音源を流す)


「いい…『魅惑のマンダリンクラブ』は1950年のアメリカの農村で、青姦に興じてたカップルが牛泥棒と間違われてショットガンで撃ち殺された事が発祥なの…」

(ダミーヘッドマイクの左側に音叉を叩きつけながら右側でショットガンの音を鳴らす)


「するとね…男の声で「解放されたぞー!」という声が聞こえて来たんですって。本当に素敵なアメリカンジョークよね」

(ダミーヘッドマイクの両端で音叉をキンキン鳴らしまくる。頭部に叩きつけても可)


「それが全ての始まりなの…どう、これが『魅惑のマンダリンクラブ』よ」

(F#のアコースティックギターの音色が右側から鳴り、左側でケテドラムの演奏が流れる)


「今まで『アンタは何を言ってるんだ?』と思ったでしょう? そんな事より『魅惑のマンダリンクラブ』入会の儀のラストスパートよ。頑張って」

(4分33秒無音)


「ふぅ〜、お疲れ様。改めて『魅惑のマンダリンクラブ』へようこそ」

(大きな銃声が右側から鳴る)


「あら、ご新規さんうっかり撃ち殺しちゃったわね…ま、次の入会希望者が来るまで待ちますか〜」

(足音が遠くに去ってゆく)



「『魅惑のマンダリンクラブ』へ、ようこそ」

(銅鑼を連打する音共に終了)

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魅惑のマンダリンクラブ 芥子川(けしかわ) @djsouchou

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