現代魔術師の幻獣召喚

南瓜の王冠

第1話 『バジリスク』

蛇だ…


目が覚めたらベッドを覗き込むように蛇がいる。


赤い舌を出し入れしていて鱗の色は深緑、うーん?詰んだ?


変に冷静になって蛇の体を伝って見て行くと…白い…そう白い…鶏の…背中、赤い鶏冠が有る確実に鶏で有ろう何か、唯一つおかしな所が有るのなら、その白いケツから蛇が生えている事だろう。


何故かコイツが何なのかが解った、『魔術』と共に脳に強制的に刻まれた様な知識…コイツは『バジリスク』だ。


そもそも何で魔術が使える様になったんだ、それはまぁ、年頃の中学2年生としては”そう云う”妄想をした事が無いとは口が裂けても言えないが、自分こと『遥 彼方』は特別な血筋とかでは一切無い…筈。


ん〜ん、刻まれた知識に有るな、魔術は基本的に存在する事を知ってる上で血筋と才能が無ければ発現しない、唯例外も有って純粋な混じり気のない極めて強固な願いに呼応して固有の魔術を修得する事が有る…らしい…レアケース見たいだが。


自分の願いはアレだろうな『家の中にいる全ての虫が絶滅しろ』昨日夜頃虫が出たんだが自分虫がめちゃくちゃ苦手なんだよな。

出た虫自体は何とか殺虫したのだがまだ居るのではと言う強迫観念が有ったから…


刻まれた知識に依ると此のバジリスクは『毒性』『小柄』と言う性質を強固に持つ『幻獣』らしい、理由は、まぁ虫を殺す為だな、デカいと取り逃がしが出かねないし、魔術に依って繋がれた『経路パス』から伝わってきたが虫だけを殺す為の毒を生成したあと殺した虫は全て食い尽くした…らしい。


『幻獣』は人類の集合無意識的な所から『要素』切り分けて形を与えられた存在…らしい。


さっきから「らしい」が口癖見たいになっているが知識を刻まれただけだから正直良く解ってない。


暫く刻まれた知識を精査した処、取り敢えず名前、所謂『真名』を与えた方が良いらしい余り良く解らないが真名を保つ事で個体として成立する…とか、あと繋がり経路パスが強くなって恩恵が得られる…らしい。


真名は込めた意味とかで影響が有るらしいので…『軍曹』で、願わくば家中の虫という虫残らず撃滅してくれ、あと蜘蛛も殺せ蜘蛛は虫じゃなくないとかそう云うのは良いんだ、殺せ。


得られた恩恵は『小さな王』効果は自己に対する有りと汎ゆる毒性の無害化、日常で使うかどうかはかなり謎な恩恵だ。


それはそれとして真名は他者にバレると不味いらしいので真名で呼ぶ事は殆ど無いと思う。

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