文字数は1200字と少し。その短い物語の中で、何度も感情を揺さぶられる……。 その感情の導線、巧みな表現に、心からグッと来ました。 泣かせるお話かと思いきや、グワッと空気が変わって笑わされて、けれどやっぱりジンと胸に響く……。 物語のラストに、タイトルにもある「亡き妻」さんのお茶目な表情が、鮮明に浮かんでくるようでした。 短いお話の中で感情を揺さぶられる見事な表現力、スパッと読める分量ですので、是非ともご一読おすすめ致します……!(すごく面白かった~!)
亡くなった妻の日記。その最後のページには謎の数字がびっしりと書いてありました。その暗号を解いていくと、妻からメッセージが浮かび上がります。きっとたくさん苦労をされたのでしょう、奥様からの旦那様へのメッセージはタイトルの通り、決して甘くはありません。しかし、ちくちくと痛いメッセージの中にも奥様の愛が感じられて、読後は暖かい気持ちになりました。
奥様は普通の人間ですが、癌で亡くなる前に、まるで主人公『俺』の反応を予想していたかのような暗号を残します。最初が『愛してる』かと思えば、読み解いていくうちに『俺』が過去にやらかした浮気やギャンブルや借金を咎める内容に……。しかし後半は『俺』を想い気遣う奥様の優しさが表れます。このちょっぴりツンデレな感じがまた面白いです。ハッピーエンドで、ほんのり心温まるお話です。サクッと読めますので、是非ご覧ください。