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①ワンアイディアを軸にテーマを決める

②書き出し部分を作ってみる。何も気にせず自由に、数百から数千字ほど

③盛り上がり部分の絵を決める

④世界観を設定する

⑤オチを決める

⑥各シーンを箇条書きにしながら、始めから終わりまでの流れを作る

⑦登場人物の設定を作る

⑧一シーンが二千から五千字ほどとなるようそれぞれ敷衍する

⑨初稿

⑩無駄な修飾を省く&推敲&推敲推敲推敲


 そうか、書き出してみると面白いものです。私は十の行程で書いているのですね。みなさんは何行程くらいございますか。

 行程⑧についてですが、これはプロットとして数千字のものを書いているわけではございません。「この熱量ならだいたい原稿用紙何枚分になろう」という肌感覚がありますので、それをもとに「何千字分となるほどの場面」を構築しているに過ぎません。少なくとも私は行程⑨で一気に書き切るタイプです。プロットではまだ手をつけません。

 ⑨までと言わぬも時間がかかるのは④および⑦です。ここをミスしてしまうと読み手の方とのコンテクストが取れない駄文と成り果ててしまいますから慎重にかかります。資料もみっちりと用意します。たとい表示せずとも人物の年齢やバックボーン、傾倒するカルチャーまで作り込みます。場合によっては年表や相関図も作成します。

 ⑩は読んで字の如くの推敲ですが、とくに「論拠が飛躍し過ぎていないか」も重点的に見るようしております。文芸なのですから思考は飛躍していても良いんです。論法ではありませんからね。私はそう思っておりますよ。「りんごだ、おいしそう」そりゃあね。「あの子はかわいい」当たり前でしょう、だから惚れているんですって。そんな当然のことを書かれても面白くないんですよ。しかしながら「りんごだ。夜更かししよう」これは分からん。あまりに飛び過ぎている。パリのデュパン氏でないと読み解けぬでしょうよ。「りんご→赤くて丸い→日本国旗→祝日に国旗を掲揚する習わし→明日は仕事が休み」と連想していったのですがね。私なぞ大酒をガソリンに書くものでして何段も飛ばして駆け登ったような描写が随所に見られましてね。とにかくそういったものをチェックし直して参ります。

 プロットはスマホに書くこともあればノートに作ることもあります。長さ次第ですね。ですが進捗管理だけはスマホアプリを使っております。「日に何枚書き何日までに終わらせる」と設定しておけば視覚的に進み具合をチェックできるものがありましてね。しかも無料でございました。デジタル時代さまさまですよ、本当に。

 さて、これが私の創作の際の行程ですが、いかがでしたでしょう。鼻で笑ってくだされば幸いです。だって私はプロじゃあありませんからね。アマチュアのド素人が賢しらに言いやがってとお蔑みください。けれどどなたかお一方でも他山の石としてお使いくださり、さらにご自身のプロセスをお教えくださるのであればこれほど嬉しいことはそうありません。

 今からさっそくアップロードするとしましょう。推敲も無し、読み返すのも明朝で良いでしょう。こんな時間まで飲兵衛がだらりと書いていたものだからどうも視線がぶるぶるとまとまらない。ああそうね、酔っ払いは奴豆腐に似ているものです。始め四角で末はぐずぐず。まるで私の文章のようですね。お後がよろしいようで。

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