ありがとう。


 いくらかの人生を生きてきて

 たくさんのものに恵まれて

 つかみ取ってきたものも多くあるけれど

 それ以上にすべりおちたことのほうが多いです


 それを持つのがあなたです


 わたしの捨てたもの

 わたしを嫌ったもの

 わたしが諦めたもの

 わたしと道を分かったもの


 そういったもの

 全てでできているのが

 あなたです


 ありがとう

 存在してくれて

 あなたがいるから

 あなたがわたしとは違うから


 わたしはわたしでいられる


 あなたがわたしへ抱く殺意も

 あなたの正義の拳も

 あなたが望ましいと思う全ても


 そのままでいて


 人間のイスクラであれ


 命であれ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

歯車に花束を 珠邑ミト @mitotamamura

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ