ダンジョン配信を始めよう
レイフォーンの一族はダンジョン都市と言われるセレスティアの有力な貴族って設定だったはずだ。私は頭を抱えて自分の家に戻ると豪邸だった。
豪邸。えっと、そう。ああー私のボキャブラリーではそれ以上表現できない。
なんかこうね。大きな門があって! 噴水とかあって!! それで家もおっきいの、目の前から見ると二階に広いテラスが見える。ご、ゴシック建築! そう、それ。よ、よく知らないけど。
「おかえりなさいませお嬢様」
執事とかメイドが並んで私を出迎えてくれる。
私はその中を歩いていく。このミンティアって高飛車だから顎を上げてふんって感じで歩いたらいいのかな。
そう思った時に私の脳裏に原作の光景が流れてた。流れてきたっていうか、思い出した。確かミンティアの一族は最終的に不正を働いて没落して街を出ていくんだ。
ひえっ! このままだと私やばいことになる!?
目を開けてみたらメイドさんが私を見ている。その目はどことなくうっとおしそうって感じた。こわっ。でもすぐにそのメイドさんはにこって笑う……こわっ! にんげんこわい!
ええ、このままなら私、没落するの? タンスに小指ぶつけただけで?
自室に戻って頭を抱えた。まずいまずい。どうにかしないと……そうだ、このゲームの知識なら私あるから……それでなんとかしないと。確か本編は学園入学の時で私は主人公アイリスにわざとぶつかって転ばせて……いやぁ、そんなのしたくない。
うだうだ悩んでいるとそういえばと思いだした。神様からチート能力とか言って変な力をもらったんだった。魔物討伐で配信をするとかなんとか……。
どうやって確認すればいいんだろう、よくあるようにすればいいのかな。
「す、ステータスお、オープン」
結構恥ずかしい……。ステータスオープンっていうとゲームのメニューみたいなのが出てくることが小説ではよくある。実際に自分がそんなことになるとは思ってなかったけど……出るのかな?
ぱあっと光が輝いて私の前に透明な画面がでてきた。
アイテム
パーティー編成
装備変更
陣形
音響
ステータス
配信
これゲームと少し違うけどいろいろ設定できるんだぁ。音響!? 音響って何? 私はそれを指で触ってみるとBGMとかいじれるみたい。混乱しそうだからやめておこう。
装備変更ってなんだろ。わっ! 私の顔が出てきた。
ミンティア・フォン・レイフォーン
武器:なし
頭:銀のティアラ
体:黒のドレス
アクセサリー①:お父様からのネックレス
アクセサリー②:
ここで装備変更できるのか……外したらどうなるのかな。黒のドレスを外してみたら。一瞬で私は下着姿になった。
「!!!???」
慌てて戻す。黒のドレスに一瞬で戻る。はあはあ。心臓に悪い。これ外で操作ミスしたらやばいことになるよ。というかこれアイテム欄みたいなのに一瞬で収納されるんだ……よくあるアイテムボックスってやつかな。
アイテムボックスってゲームではすごい軽装な格好をしているのにすさまじいアイテムを持っているゲームでよくあるあれ。どこか異次元に大量荷物を収納できる。
「……本当にゲームの世界なんだ」
現実感がないのは今でも同じだけど、私ははぁとため息をついた。
でもこのままだったらとんでもない未来が待っているかもしれない。とにかく何とかしないと……ゲームでは15歳で学園でアイリスと出会うはず! それまでになんとかするか……できればアイリスも味方につけたい。
そっか。
私は原作の知識があるんだ。先にダンジョンをクリアしてもいいはずだ。初心者用のダンジョンに潜ってレベル上げをしてもいいはず。
「よし」
私は立ち上がった。そうと決まれば今からでも動こう。
あと……すごくきになっているんだけどステータスオープンした一番下に『配信』ってあるのなんだろう。たぶんこれが配信ってやつだよね。
これでダンジョンで配信するってこと?
ええいもうどうにでもなれ! 私は部屋を飛び出そうとして、今はお嬢様なのでゆっくりと外に出た。
乙女ゲームに神様転生してチート能力でダンジョン配信までしてしまうってどういうこと!? @hori2
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