乙女ゲームに神様転生してチート能力でダンジョン配信までしてしまうってどういうこと!?
@hori2
お願いだからいきがえらぜでぇええ!!
大学から帰ってきてPCに電源を入れるのが日課みたいになっている。
私はいわゆる乙女ゲームにはまっている。結構レトロなゲームもやっているし、最新のゲームもちゃんとチェックしている。今日もお風呂上りにチョコミントアイスを食べながらマウスをカチカチしている。
最近ハマっているのは『メイデン・クローディエ』という乙女ゲームだ。RPG要素があるゲームでパーティを主人公である女の子アイリスと恋愛対象の男の子達で組んでダンジョンを攻略していくゲームだ。
舞台はダンジョン都市セレスティアの冒険者学校! そこの生徒になって物語が進んでいく。
このゲームのいいところはね。
ダンジョンの中で仲が深まっていくにつれて恋愛関係発展していく。その中で推し(攻略対象) がだんだんとデレていくことがのが最高。RPGなんてやったことなかったけど、戦闘で強いボスとか倒した後にそういう場面になると戦友っていうか、特別な気持ちになれる。
『オーほっほっほ。お待ちしていましたわ』
ゲーム画面に銀髪で高飛車な笑い方をする女の子が出てきた。ミンティア・フォン・レイフォーン。いわゆる悪役令嬢だ。悪役令嬢ってさ、実際乙女ゲームをしててもなかなかお目にかかれないけどこのゲームにはいる。
最近の小説とかにも結構『悪役令嬢』ものってあるけど何が元ネタなんだろ。
でもこのゲームのキャラは私の名前そっくりなのが嫌。私は岡野ミント。ミントって名前も珍しい……うん。珍しいって言い方はいろいろと濁している。それでもこのミンティアってガムみたいな名前をしている女の子は主人公アイリスに意地悪をしてくる。
今回は中間テストでバトルになるって話。よーしアイリスを鍛えてコテンパンしてやるんだから。あ、その前になんか飲もう。
そう思って椅子から立ち上がる。冷蔵庫に向かって歩いていくとタンスに小指を思いっきりぶつけた!!!
いったああああい!!! 痛い、痛い!!
床で転げまわる私。痛い、すごい痛い……
――
気が付いたら白い世界にいた。
「!?????????」
どこここ!!?? 私の家じゃない!?
「ふぉっふぉっふぉっ」
いきなり目の前におじいさんが現れた。白い服を着た髭の長い人! ひえ、何? なんなの? おじいさんは土下座する。怖い。なんで土下座しているの? 怖いよぉ。
「申し訳ない。手違いでお主は死んでしまったのじゃ」
「手違いで、死んだ? 何言っているのおじいさん」
「わしは神じゃ」
ワシハカミジャ????? 何言っているのかわからない。
「お詫びとしてチート能力を与えて好きな乙女ゲームの世界に転生させてあげよう。これで許してほしい」
「待って」
「それでは転生を」
「まっで! 私の話で置いてけぼりにしないで!」
うそでしょ。タンスに小指ぶつけて死んだの?? うそでしょ? そんな死にざまを両親とか友達に見られるの???
「神ざま、てんせいとかいいんでいぎがえらぜでぐだざいぃ」
私はマジ泣きしながら頼んだ。神様は哀れなものを見るような眼をした。ふざけんなよ何よその目は!
「本当に申し訳ない」
「いやぁあ。こんな死に方はいやぁ!」
おんおん泣いてしまう。神様ははぁやれやれって顔をした。ひっぐ、こいつ、ひっぐ。こいつぅうう!!
「わかった。ならこうしよう。お主の転生する世界はダンジョンははびこっておる。そこに住むボスの魔物の討伐を配信して人気になったら、元の世界に必要な人物だとして特別に生き返らせよう」
「ダンジョン配信……? な……んで?」
私が疑問を口にした時、私体は光り輝いてる。
――ダンジョン配信スキル LV1 を習得しました。
スキル……?
「これはダンジョン配信スキルというものじゃ、これで現実世界の動画配信サイトに自分の状況を投稿することができるのじゃ。異世界をつなぐチート能力といったところじゃな。それでは行っておいで」
神様の顔が遠くなる。
なんで? 私は手を伸ばすけど、どんどん遠くなっていく。
☆
「はっ!?」
私は目の前に湖が広がっている。白い白鳥が飛んでいくのが見えた。
「こ、ここどこ? か、神様は?」
のどかな光景が広がることに私は違和感を覚えた。次の瞬間には頭が割れるよう痛む。いたああい?? 無数の記憶の映像がどんどん頭に入ってくる。
「あ、あ、ああ」
地面に転げまわる私。なんとか這いずって湖に自分の顔を映す。そこにはエメラルドグリーンの瞳に銀髪の幼い少女が映っている。
「わ、わたくしは岡野ミント……そして……ミンティア・フォン・レイフォーン? 10歳?」
異世界転生。しかも悪役令嬢になってしまった……?
帰りたい、帰りたいよぉおお!!
「あーん」
銀髪の少女の姿で私は大泣きした。
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