第4話朝がいや

夜中目覚める。僕はこの十何年間、朝までぐっすり眠れた夜は無い。

必ず夜中の2時前後に目を覚ます。

シャワーを浴びたり、趣味の執筆をしているといつの間にか、外は明るい。

僕は朝が嫌いだ。

作業所へ行きたくない。また、あの、ちまちました作業をしなければいけないのかと思うと、たまにズル休みをする事がある。

朝になると、下痢を起こしたり頭痛を起こしたり。

だが、昼過ぎになるとこの症状は落ち着くのだ。

前の会社で受けたダメージは相当深いものがあるのだ。

また、薬で人格が崩壊したと言える。

絶対に休まない男だった。

だから、ここ最近休み勝ちになる。


精神科を受診すると、主治医のオバサンが

「A型作業は一般の会社より、疲れますよ」

と、言う。

それは他の利用者の知能や性格、仕事内容が僕に合っていないからだそうだ。

主治医は、

「疲れた日は、休んで下さい」

と、言う。だから、主治医の言葉に甘えてしまう。

朝がいや。

夕方になると、元気が出て飲む。酒は質の良い睡眠を授けない。

しかし、飲まなきゃ精神が崩壊しそうになる。と言っても、既に崩壊している。崩壊しているから酒を毎晩飲むのだ。

睡眠薬で3時間程眠る。

夜中の2時に目が覚める。

この繰り返し。

僕は決して逃げ場のない人生に失望した。家族さえも奪われた。

地位も名誉も金も家族も手放した。

飲まなきゃダメだと、言い聞かせる。こうして、僕は衰弱していった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ホワイト・タブレット 羽弦トリス @September-0919

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ