こんにちは、千弦さん。
かえすがえすも、ダメな昭夫さんでしたね(^^;)
一方の信乃さん、言うべきことをきっちり言えて良かったですね。こちらは名前が「しのぶ」でもう、、なんてぴったりな。
ここに及んでもダメ夫の生活指南をこまごましてあげるあたり、昭夫さんにはもったいない、できた奥様だなあ、と。そして、本人も書いていますが、それでも許してあげる可能性がゼロではない雰囲気が文面から感じられて、早く目を覚ませ昭夫!!と叫びそうになりましたが、、、目を覚まさない方に3000点。
自分は大丈夫か…?とちょっとどきどきしながらも、楽しく読ませていただきました!
作者からの返信
琳さん、こんにちは。
信乃(しのぶ)、ぴったりというか安易というか、まんまですみません(笑) でも「忍」ではなく信じるという字を使って、まだ昭夫のことを完全には見限ってないという意味を込めてみました。
おっと、琳さんも昭夫が変わらない派ですか。3000点ですか、さらに倍!(古) おもしろいですねえ、どうも男性のほうがシビアにとらえられる方が多そうな印象。
なんにもできない、知らない、やらないのは確かに困りものですが、他の方がコメントでおっしゃるように、気持ちと、ちょっとした一言があるかないかでずいぶん違うのだと思います。それに、役割分担はけっして悪いことではないと思うし。
読んでくださり、コメントと☆をありがとうございました!
すごくリアルでした。熟年離婚になる夫婦の原因が分かった気もします。
お金は入れるけど、家事はしない夫。家事育児はするけど、収入が少ない夫。
妻に対する思いやりはあるけど、浮気する夫。
どれがいいとか悪いとか人それぞれですが、積年の恨みによる復讐は共通してますね。
信乃さんの忍耐力はすごいって思います。私の母親と重なる部分が多くて、同情をしながらも、そこまで我慢したら病気になるよと言いたくなりました。
夫をあなたと呼び、手紙の内容も優しさで溢れていて…なんか泣けてしまいました。
この手紙を読んだあと、夫はどんな気持ちでいたのか、行動に変化はあったのか気になるところです。
考えさせられるお話、ありがとうございました。
作者からの返信
熟年離婚、ひょっとしたらもっと前から妻のほうは離婚を考えていて、夫が定年を迎えるまでだけサポートしてやろう、みたいに待っているパターンもあるのかなと思いました。家にいてもろくに喋りもしなくて鬱陶しいのに、定年して毎日は無理、とか(酷)
>“お金は入れるけど、家事はしない夫。家事育児はするけど、収入が少ない夫。
妻に対する思いやりはあるけど、浮気する夫”
このなかでいちばんマシなのは? と訊かれたとしたら、若い頃なら“家事育児はするけど、収入が少ない夫”と答えていた気がします。でも、今のこの歳で考えるとお金かなあ……(ぇw
ハナスさんのお母さまとも重なる部分がありましたか。うちもですが、昔の「妻・母」はみんな似たりよったりだったのでしょうね。夫のほうは「男子厨房に入らず」なんて言葉もありましたし。もっとも、この言葉は間違った意味で伝わっていたらしいですが。
手紙の優しさに触れていただけて嬉しいです! どうも復讐とか「ああ楽しい」が印象に残るっぽくて、手紙に込められた信乃の愛情、気づかれにくいのか? と悩んでいたところでした(^^;
お忙しいのに読んでくださって、本当にありがとうございました!
千弦さんご無沙汰しています、夏目です。
昭夫さん、最初の方は奥様が愛想を尽かせて出て行った事など、夢にも思っていなかったみたいでしたね。これからひとりでどうやって暮らしていくのでしょうか?
勝手にこの昭夫さんの役を俳優の伊東四朗さんのイメージで読んでいました。この作品のタグですが、『ざまぁ』を追加した方がいいでしょ(笑)
作者からの返信
夏目さん、こんにちは。お久しぶりです。
信乃さん、完全に愛想を尽かしたわけではない気がします。本当に見切りをつけて出ていったのであれば、朝食の支度もいろんな細工もなにもしないでただ出ていくのではないかと……少なくとも、私ならそうします(笑) もちろんあんな長い、愛に溢れた手紙も残しません。信乃は、まだ昭夫に期待しているんですよ。
もちろん、その期待に応えてこれからいろいろ改め、信乃に帰ってきてもらえるかどうかは昭夫しだいですがw
伊東四朗さん、なるほどー、昭夫っぽいかもですね! そんなふうに想像してくださって嬉しいです。でも今の六十代の俳優さん、ちょっと検索してみましたけど真田広之さんとか役所広司さん、佐藤浩市さん、豊川悦司さん、渡辺謙さんとかっこよすぎ……!? ずらりと並んでいた名前を見てびっくりしました。六十代のイメージが変わっている……! うん、このなかには昭夫はいないですねww
『ざまぁ』、どういう作品に使用されるタグなのかよくわかりません(^^; 「ざまあみろ」の略なのでしょうが、先に書いたとおり信乃は“ささやかな復讐”としていろいろいたずらをしましたが、それはすべて昭夫が気づけなかったことに目を向けさせるためのことなので、ちょっと違うかなあと思いました。
読んでくださり、コメントと☆をありがとうございました!
一気に読み終えてしまいました。
暮らしの解像度がすごい……!
私は、他人に寄りかかって生きるというのが好きではないので、昭夫には何の共感も持ちませんでしたが、妻がいなくなり一挙手一投足に不満と戸惑いを覚える彼の心情と、「仕事以外なにもできない」という部分の細やかな描写に感動すら覚えましたw
いつも不思議なんですけど、こういう人ってちゃんと職場で仕事できてるんですかね?
職場でも、同僚や部下に助けられないと仕事もできない人のような気がするんですけどf(^_^;
そして、それにも自分では気づいていないというパターンかなw
せめて、感謝する気持ちがあれば、世界は劇的に変わる。それに果たして彼は、今後気づけるでしょうか。
警察の担当者から、「認知症」を疑われたときに激昂する彼の姿は、見る人によって様々な印象を受けることでしょう。妻を庇ったわけでも実は愛していたとかでもない、彼は体面が気になったのでしょうね(私の感想です)
洗剤の下に手紙
これには思わず膝を打ちました✨
そして内心、昭夫、よくここまでたどり着いたなぁ…と。この辺も解釈が分かれそうですけど、あたしの想像というかリアルな昭夫像だと、ここまでたどり着けないんじゃないかとさえ思えるんですw
そして、ここまでしておいて、それでも奥さんは昭夫を完全に見捨ててはいないのだと。
長年一緒にいた分の、夫婦ではなく生き物としての情が湧いてそれが一欠片残っていたのだろうか、あるいは、それでも長年働いてくれたことへの感謝の意味もあるのだろうか、など、様々な思いが湧きました。
そして、この仕掛けをしている最中は、奥さん今までで一番楽しかったんじゃないかと思ってしまいましたw
書き置きから紐解く奥さんの姿は、案外ユーモアに富んでいて、いろんな所に好奇心のある、可愛らしい人だったんじゃないかと思ってしまいます。
それこそ、日々不満を募らせていても「ありがとう」の一言さえあれば、案外頑張れてしまうおおらかで強い心の人でもあったんじゃないかと。
なんで気づかないかね、昭夫……(でも、同情は湧かないw)
優しい奥さんは、それでも1ヶ月くらいしたら様子を見に来るのかもしれない……と思いつつ、連絡先も残していないからそのつもりもないのかもw と思ったり✨
結婚もしていない私には決して書けない物語の描写だと身につまされつつ(正直、昭夫とは別のベクトルで流れ弾を喰らった気持ちでしたw)読後の感想とさせていただきます✨
ありがとうございました✨
作者からの返信
天川さん、はじめまして。読んでくださってありがとうございます!
解像度、描写に注目してくださって嬉しいです。もともと私は海外を舞台にした作品を書くことが多くて、日本とは違う風景や食べ物、家の中の様子など映像が浮かぶようにと書いていて、それがすっかり癖になってしまいました。要らないかもしれない部分までつい細かく書いてしまうので、気づけば文字数が多くなっている病にかかっております(^^; 一話2,500文字までとか5,000文字ほどの短篇とか無理。。。
私も思いました。家ではなにもしない、できない人って、職場ではバリバリ仕事してたりもしますよね、きっと(ただ偉そうなだけでどっちもできない人には、こんなできた奥さんもいないはず)。
能力の所為ではなく、気持ちの問題なのかな? それとも単純に、仕事でなにもかも出し尽くしているから、家ではもうHPもMPも残ってないんでしょうか。退職しても、ジョブが違うから最初はなにもできないということなのかしら。。。
認知症を疑われたときの彼の反応は、きっと自分のほうが妻よりも年上だからじゃないかと思います(笑) 体面もあるかもですけど、ゴミのこととかでほんの少し、自分の無能さ加減に気づきかけていたところへ「お年寄り」扱いされたような気になったのではないかと。
手紙の置き場所、かなり考えました(笑) いちおう洗濯する気がなくても気付ける位置ということも考慮しましたが、仮に洗濯する気がずっとなければ信乃が帰ることもないということで、ゴミ屋敷コースですね。。。w
でも、信乃は見捨てていないというか、昭夫が変わってくれると信じています。
仕掛けをしている最中、楽しかっただろうと私も想像しましたw どうせ布団もあげたりしないわねー、あ、じゃあここに服を隠しておいてやろうとか(笑) いちばんの嫌がらせはお茶っ葉を買っておかなかったことかも(笑)
独身でいらっしゃいましたか、流れ弾いきましたかスミマセンww まあ私も、親元で暮らしていた頃はほとんどなにもしなかったですし、独り暮らしでは自分が気にならないうちはいろいろほったらかしでしたw
丁寧に読みこんでくださり、長文コメントの上に素晴らしいレビューまで! 心より御礼を申し上げます。励みにさせていただきます!
奥さん、お見事でしたね。
でも手紙の後半で、夫に生活のアドバイスをこまごま書いているところが優しいなと思います。
夫婦それぞれの名づけがまた、体をあらわしているなあ。
昭夫さん、反省するんでしょうかね。
いろいろな家事、やってみれば「妻は毎日こんなに大変だったのか」と気づくんじゃないかと思うんですが…やらない人はやらないから、家がどんどん悲惨なことになっていって、近所の人さえ遠回りするような、そんな生活状況になってしまうこともありうるな…💧
妻が毎日手間暇かけて整えていることを、当たり前のようにむしりとっては散らかすだけの生き方をしてきた夫。たまった家事にヒーコラしながら、自分が妻にかけてきた冷淡な言葉を、思い返してみてほしいものですね…(苦笑)。
楽しく読ませていただきました。
ありがとうございました。
作者からの返信
一気に読んでくださってありがとうございます。
名前にも触れてくださって嬉しいです。単純でなんの捻りもない名前ではありますがw、「信乃」は忍の一字ではなく、昭夫がきっと変わってくれると信じている意味を込めて信乃にしました。考えた時間は5分です(笑)
対して、封筒の模様としてなんの花模様にするかは、いろいろ調べつつ30分くらいかけて考えました。まあ、誰も気づかないであろう自己満足ですけどね(^^;
家事、まめにやる人は上手な手抜きの仕方も知ってるからまだいいですけど、やったことない人があれもこれもとなると途方に暮れるでしょうねえ(笑) 近所の人が遠回りしないよう、昭夫にはがんばってほしいものですw
……と、お返事を書いているあいだにれ、れ、レビューがっ! ありがとうございます! 感謝です!
編集済
信乃さん、優しい! こんなに長い手紙、愛情がないと書けませんよ!
夫が外で働いている間は役割分担として納得できたことも、家にいるようになってから全然変わらないじゃん……で妻の側から熟年離婚を切り出すケースが多いって、よく聞きます。
これ、内実はそう変わらなくても、夫の側がちょっと気を利かせて「ありがとう」を一言いうとか、そんなことで結果は全然違ってくると思うんですよね。
お礼言ったら死ぬんかというくらい何も言わなかったり、「誰のお陰で」的な態度を言外に匂わせていたりするから、退職のない家事に追われる側は耐え切れなくなるんだと思うんです。
もちろん実際に動かず口だけなのも困りますが(笑)言葉があるとないとだけでも、雲泥の差だと思います。
それに昭夫は気付けたのか!?
信乃さんに帰ってきてもらえるよう、努力できるといいのですが、そんな素直な行動はとらなさそうな気も(^^;
逆に、信乃さんは完全に見捨てられる女性ではない気もします。自分の強さを見せつけて、いずれ昭夫がどうあろうと一度は戻ってみるんじゃないかなあ。離婚届も入れてなかったことだし。
その時こそ、昭夫が本当に試される時かもしれませんね。
リアルな重さもあるけれど、昭夫に見えていなかった信乃さんの強さや茶目っ気が清々しく感じられるお話で、読み応えがありました!
作者からの返信
こよみさん、おはようございます。
手紙としても長いし、近況ノートでは確か最初15,000文字ほどって書いたはずなのに、終わってみれば19,000文字に増えとるww 読み返すたびにちょこちょこ直していて、気づいたら一話分くらいの文字数増(^^; ここまでくるともうビョーキだな(笑)
ちょっと一言あるかないかで違う、まったくおっしゃるとおりですよね! 連休なんかも、偶の家族サービスと張り切って遠出するのもいいけれど、お出かけって主婦はちっとも休みにゃなりませんしね(笑) むしろ準備と、帰宅してからの洗濯物などで普段よりも大変に。。。今日は美容院でも買い物でも好きに出掛けておいで、子供は俺が見てるから、とか云って小遣いくれる旦那だったら100点満点だけど、うちは経験ないなw
昭夫は、今の自分はなにも偉そうにする資格などないとだけは気づけたと思うので、多少は反省したんじゃないかな。あらためる努力もいちおうはするでしょう(どこまで続くかはわからんがw)。商店街でお買い物するところから、もっと世界も広げればいいと思います。そしたら、信乃さんと旅行する気にもなるんじゃないのかな。
読んでくださって、コメントと★をありがとうございました!
完結、お疲れさまでした。
昭夫に、ほんの少しの気遣いでもあれば、こんな結末にならなかったのにと思ってしまいます。何のために仕事一筋でいたのだろうかと。
失ってみて初めて自分を支えてきた人のありがたみがわかったとは思います。もし反省するのなら、新たな物語が生まれるのではないかと。ある程度、自分でも生活が出来るようになって、やはり一人では寂しいと感じるようになった時に、信乃さんがひょっこりと様子を見にきたりして。
それとも、こんな回りくどい事をしやがってと、反省の念もなく、何も改めなかったら……。時が過ぎて、様子を伺いに来た信乃さんが見たのは、ゴミ屋敷の中で誰にも気にもされず、冷たくなっていた姿が……、あ、これは洒落になりませんね。
流石に、若い女性と偶然出会って、あまりの自堕落な生活に世話してもらうっていう展開はないですね。物語としては意外性があって面白いかもしれませんが、これでは信乃さんが救われませんね。
かなり脱線して申し訳ないですが、色々と考えさせるお話でした。最低限でもいいから、一人でも生活出来るくらいのスキルは必要だなと。でも人間は一人では生きられないものです。
ありがとうございました。
作者からの返信
榊さん、こんばんは。
妻のありがたみをわかって、反省してしっかり家事を始めてくれるといいのですが。信乃も、昭夫が生まれ変わって、自分が家に戻れることを祈っていると思います。
ゴミ屋敷で孤独死は最低最悪のコースですね(^^; でも、ちらりと昭夫の頭にも過って、そうならないために頑張ってほしいですw
若い女性コースは、最近久しぶりに初公判のニュースを視ましたが、某会社社長殺人事件みたいになる未来しか浮かびませんねww
ひとりで生活できるスキルは必要だけれど、しかし人間はひとりでは生きられない。まさにそのとおりだと思います。ましてや、年老いてから独りは寂しすぎますよね。
読んでくださり、コメントをありがとうございました!
よく熟年離婚って聞きますが、おそらくこういう年月の、マイナスの意味での積み重ねなのだろうなと。金を稼ぐ者が圧倒的に偉いという気持ちの悪いヒエラルキーとか。夫が妻を見ていなかった分、妻の目線の鋭さも。手紙を見つけるタイミングからしてすべて妻の掌中に握られていますね。
烏丸さんはいつも細かい描写をされますが、この作品では日常のほんの些細なことがどんどん羅列されることで、二人の溝を感じるのにものすごく活きていると感じました。
ああ楽しい、という言葉に色んな複雑な感情が見えます。ざまあみろの裏側の悲哀というか。
恨み言を連ねながらそれでも最後にはいっぱいアドバイス書いて。なんか、年月って何なんだろうなあと、深いため息が出ました。
あとからまた思い返して印象が変わりそうなじっくりと考えさせるお話でした。ありがとうございました。
作者からの返信
柊さん、こんにちは。
なにかを堪え忍ぶのって、いつかそこを脱すると思っているから頑張れるのだと思うんです。いつまでもこの状態が続くわけじゃない、ここを超えればきっと良いほうに変わるんだと。でも、それがただの自分の思いこみで、幻に過ぎなかったとわかったとき、胸の奥から湧いてくるのは怒りよりも虚しさ、寂しさではないかと。
だから、手紙には恨み言も書きつつ、長い年月あたため続けた愛を込めたものにしたつもりです。そこに悲哀を感じてくださって嬉しいです(*^^*)
いつも丁寧に読みこんでくださってありがとうございます。いただくコメントのおかげで気付かされることも多いです。
コメントと★をありがとうございました!
拝読させていただきました。完結おめでとうございます。お疲れ様でした。
いやぁ、なかなか重たい内容になりましたね。
タイトルから、どこかに手紙が残されているのだろうと思っていましたが、3話の最後に手紙を見つけたときの昭夫の心情描写がとても良いですよね。
いなくなって直ぐに見つけてしまっていたら、怒りの中でしかこの手紙を読めなかっただろうし。このタイミングでの手紙なら何か響くものがあったと信じたい、信じさせてくれる昭夫の心情だったかと。
ささやかな復讐の手紙なのですが、「ああ楽しい」と書きながらもやはり随所に愛情が感じられるのですよね。この手紙を用意するまでの信乃の気持ちを考えると少し苦しくなります。
この先どうなるかは昭夫次第かと思いますが、奥様への感謝を今からでも持てたら良いなぁ。
重いお話でしたが、読み応えがあり、とても良い読書体験でした。ありがとうございました。
作者からの返信
島本さん、こんにちは。
いただいたコメントを読んで感激しています。どんなお話でも、読んだ方によって感じるところはそれぞれ違うものになりますし、解釈などいろいろあって然るべきと考えてはおりますが……私が書きながら考えていたことを、すべて読み取ってくださっている!
おっしゃるとおり、昭夫が手紙を読んで反省できるのはこのタイミングでなければ無理だったろうと思います。信乃が出ていった朝、台所のテーブルなどにあったら怒り狂い、読む前に破り捨てていたかもしれませんよね。
手紙の内容についても、私は、いろいろと恨み言を書きはしつつも、これは妻から夫への、愛に溢れた手紙のつもりで書いていました。それを読み取ってくださって本当に嬉しいです。
昭夫はいろいろとダメダメだし、いなくても困らないのは確かですが(笑)、信乃は、ひとりで気ままにやっていくのがいちばんの望みではない。いちばんは、手紙にあったように夫婦二人でのんびりと余生を楽しむことなんです。
読んでくださり、丁寧なご感想と★までありがとうございました!
烏丸千弦様
完結おめでとうございます!
奥さんは自分がいなくなってからの昭夫の動向を全て把握していたのですね。悉く図星を突かれ、さらに初めて妻の気持ちを知った昭夫の驚愕に震える姿を見てみたい気もします。
でも、凝り固まった価値観で60年以上も生きてきた男は自分の非を認めて奥さんの有難みを思い知り、反省するような殊勝な心根は持ち合わせていないようにも思えます。たとえチャンスを与えられていたとしても。
「追伸」は信乃さんの最後の優しさなのでしょう。だけど、それにさえ気づかないまま昭夫はゴミ屋敷で朽ち果てるのだと思います。残念ですが、それが似合っています。いつか、信乃さんは落胆して離婚届を送ることになるかもしれません。昭夫は思うでしょう。家族のために自分が仕事を頑張ったおかげで、お金に不自由することもなく妻は専業主婦でいられたはずだと。
しかし、主婦業を「労働」としてギャラに換算すると安く見積もっても月30万円以上ご随意だそうです。奥さんに昭夫がその給料を払えるのか? と言いたいです。
とても興味深く、とても面白く、とてもリアルな、いろいろと深く考えさせられる素晴らしい小説でした。
今回も、さすが千弦様♡だな、と唸ります。
連載中は、まるで祭りのような四日間でした。祭りのあとのわびしさに、しばし浸りましょうか。
読ませていただき、ありがとうございました!
作者からの返信
ブロ子さん、こんにちは。
夫は妻のやってることなんぞほとんど見てませんが、妻はなにもかもお見通しなんですよw
あららん、ブロ子さんはゴミ屋敷で朽ち果てろ派ですか。清く正しくお優しいブロ子さんらしいと思います。昭夫はそれだけ最低だったということですよね。
でも、最終話のこの手紙は、私は恨み言も書きつつ、愛に溢れたものにしたつもりでした。信乃はきっと、昭夫に生まれ変わってもらって、帰りたいのだと思います。まあその前に、あちこち観光して美味しいものを食べまくるでしょうが(笑)
主婦業を労働として換算すると……ネットで読んだことがあります。まあ私は信乃のように完璧に家事をしてはいませんが、そうか……五万くらいはもらってもバチは当たらないのかも?ww でもまず旦那の給料が増えないとだめですね。ってかお米高い。。。(;´д`)
読んでくださり、コメントをありがとうございました!
烏丸さん、作品完結、お疲れ様でした。
そしてまたしても素晴らしい作品を読ませてくださってありがとうございます。
昨今、熟年離婚をする夫婦が増加の一途をたどっていると聞きますが、これがその典型的な要因なのではないでしょうか。
昭和の時代、多くの夫婦は夫は仕事、妻は家庭と役割分担を明確にして過ごしていたのだろうと思います。その数十年積み重なった判で押したような生活が凝り固まって、最終的に昭夫のような夫が出来上がるような気がします。
また彼がもう少し身の周りのことに気付けることができたなら、あるいは人生を愉しむことに理解がある人間だったならこういう結果にはならなかっただろうと思いました。
末筆に「もしも……」と、と書き添えた信乃さん。
やはり少し心配もあるのではないでしょうか。
そして時々は覗きにくるという宣言でもあるので、彼の一念発起に期待したいと思います。
改めまして読ませていただきありがとうございました。
作者からの返信
那智さん、こんにちは。
今の時代は男性も育児休暇をとか、男女同権や家事の分担が謳われて当たり前になってきていますが、実情はまだまだ追いついていない感じですよね。それはたぶん、昭夫くらいか、さらにちょっと上の世代がまだ会社組織の上のほうに残っているからじゃないかと考えてしまいます。もっと云えば、F**kin' 自◯党が(笑)
おっしゃるとおり、昭和の頃から長きにわたり、夫は仕事、妻は家庭と役割分担をしてまわしてきました。それは、女のほうには妊娠と出産、そして授乳という、男が代わってやりたいと思ったとしても無理な役割があった所為もありましょう。だから、役割分担自体は悪いことではないと考えます。私自身も専業主婦ですし。それぞれの家庭で、うまくまわせるやり方をとればいい。
でも、外で働くのは賃金というカタチに見えるものがありますが、家事って見えないんですよね(笑) 見えるのは、できていないところのほう。完璧にやればやるほど跡が見えないんです。
さて、信乃の策略(?)が功を奏して、昭夫は一念発起しますかどうか……私は、信乃がいつかちゃんと帰れるんじゃないかと思っていますが。
読んでくださり、コメントをありがとうございました!
編集済
拝読してが~んでした、あまりに自分の場合とそっくりだったので。(^^;
リベラル風に見えるこの世代ではこういう夫婦、少なくないと思います。
うちの場合は早々に夫が別の暮らしを見つけてくれた(笑)のですが、いまとなっては結婚当初に道を間違えた自分を反省します、家事&育児(仕事まで)のすべてを妻が行うことを当然と受け入れた自分の弱さや見栄っ張りを……。
この夫が心を入れ替え、穏やかな老後を取りもどせるように願っております。
作者からの返信
上月さん、こんにちは。
ええええっ、そ、そっくりでしたか……(汗) 驚きましたが、別の暮らしを……そうでしたか。現在進行系のお話じゃなくてほっとしました(^^;
ほんとに一昔前ならめずらしくもなかったであろう夫婦のカタチですよね。でも妻のほうは、しょうがない当たり前だと堪えていただけで、たまったものではないでしょうが。。。
昭夫は、ちょっと遅きに失した感はありますが、なんとかここからいろいろと改めて信乃にも帰ってきてもらい、夫婦で幸せな老後生活を過ごせるといいなと思います。
読んでくださり、コメントをありがとうございました!
あの……最後の最後に書いてある、“Dear My Husband” に、ちょっと反応してるんですが、なんだか My って改めて書かれると、いきなりなリアリティ(笑)。え? ご自分の旦那様に仰ってるわけではない?(^_^;)
>私は、あなたがいなくてもなにひとつ困らない。
に、大きく頷いてしまいました。
こんな夫なら、捨てられても仕方ないな、と。
奥様、コツコツ自分名義のお金を貯めていたのも偉いと思いました。まとまったお金がないと、「もしも」の時に困りますからね。
私は自身の貯金を生活費の不足分に充てていたので殆ど残っていなくて、娘たち名義のお金を借りて、離婚裁判を起こしました(まあ、勝訴して、娘たちのお金は返したんですが)。お金は、必要不可欠です。
何もかもわかって面白がっている風に見えますが、追伸の部分で、全てのことに反省し、奥様を大切に思ってくれるなら、帰るかも知れませんね、という、まだ細やかに愛情を感じ、微かな期待をしているのかもなあ……と。偉いなあ、この奥様。
名前通り、耐え忍んでこられた奥様の、今後の幸せをお祈りいたします。
それとともに、旦那様が、そんな奥様の偉大さを思い知ることになり、今後頑張って慣れない家事をこなせるようになり、奥様に感謝し、深く反省されることを願ってやみません。
とても興味深く、楽しく読ませて頂きました。
ありがとうございました。
作者からの返信
緋雪さん、こんにちは。
わー、レビューまで書いてくださって感激です! ありがとうございます!
あ、“Dear My Husband” は別に自分の旦那宛に書いたという意味じゃないですよ(笑) いつも最後に英語でタイトルと筆名を書くんです。
日本語タイトルのものも英訳して書きます。「過ぎ去りし夢のあとで」は「After The Dream Has Gone」、「宵街ぶるぅす」は「Night Town Blues」というふうに。
今回、「To You」では直訳すぎて違うなと思ったので、ふつうに「Dear My Husband」にしました。
とはいうものの、うちの旦那にも当てはまる部分はあるのは否定しません(笑) 私が専業主婦やってるのである程度はしょうがないかと思ってますが……私は、信乃さんのように完璧じゃないので大丈夫みたいですww
このあとの展開は読んでくださった方それぞれにおまかせしますが、私はいろいろと思い知って反省した昭夫が家事をやり始め、数ヶ月位経った頃に信乃が帰ってくるのじゃないかと思っています。
毎日楽しみに読みに来てくださって、本当に嬉しかったです。ありがとうございました!
この男なら、別の世話役になる女性を見つけそうですが、どうなんでしょう。弁護士に家出して連絡の取れない妻と、どうしたら離婚できるかを相談して、次の犠牲者を探すのだと思います。
作者からの返信
フミヤさん、こんにちは。
そんな展開を想像されるということは、フミヤさんから見ても昭夫は相当ひどい夫だということですね(笑)
でも、はたして六十過ぎで特に趣味もなさそうな男にひっかかる女性がいるかしら? もしいるとしたら、お金目当てで家事など二の次の女でしょう。
だいいちそんな女性ができたとして、家に招待もできないのでは(笑) 新しい女性のためならゴミの分別も掃除も洗い物もできる? ああそういえば「女房と畳は新しいほうが良い」なんて言葉がありましたねえ……「亭主元気で留守がいい」という言葉もありますが(笑)
解釈や、その後の展開の想像はそれぞれだと思いますが、書いた私としては既に自覚と後悔をし始めているところで、この手紙を読んだのをきっかけに、昭夫は自らを改め、信乃は帰ってくると思います。それが何ヶ月くらい経ってからかはわかりませんが(笑)
読んでくださり、コメントをありがとうございました!
烏丸さん、こんばんは。律角でございます。この度は企画にご参加いただきありがとうございました。
端整な文章、というのとは必ずしもイコールではないかもしれませんが、ディティールを疎かにしないという点に関していえば、相変わらず見事なものだなと。
あえてぼかした書き方をしますが、おそらく(読者に向けた)烏丸さんの目論みは成功していますでしょう。私も仕事のうえで色々な方とお会いしてきましたが、昭夫のような人物には幾人か心当たりがあります……生活の現場を覗いたわけじゃありませんが、何気ない所作から、「あ」とわかる瞬間がありますもので(苦笑)
またいつものへそ曲がりで1点だけ難癖をつけますと(←つけるなよ)、私の感覚だと本作はどうにも“断罪”の要素が強すぎるように思えました。最初からそれが目的なら、まぁそれでもよろしいのですが、個人的には烏丸さんに“救済”の文学を書いていただきたいと思っておりますので……。
ではでは、失礼いたしますm(_ _)m
作者からの返信
律角さん、こんばんは。お久しぶりです。企画に参加させていただいてからずっと、びくびくしながらお待ちしておりました(笑) どのくらいボロッカスに云われるか、それともなんの反応もいただけないか、と……w
昭夫のような人、いますか……いないほうがいいんですけど、世代的なものはある程度しょうがないと思ってもいます。常識というか、植え付けられた感覚が世代ごとに違っているんだから、なかなか難しいですよね。
お、難癖きましたね。覚悟しておりました! 断罪、強いですか? 私はラストで思いっきり妻からの愛情を表したつもりだったのですが……それまでにネチネチ書きすぎたかしら(^^;
救済……文学なんて畏れ多い、自分では娯楽小説と思っていますが……最後に救いのある話ならいま書いてます。たぶん。ただ、それまでに苦しめすぎかもしれませんが(笑)
読んでくださり、丁寧なコメントと☆までありがとうございました!