異世界ダンジョン物語
アカネ(永遠のスマホ勢)
第1話 兄からの贈り物
ダンジョン───それは夢と希望と金銀財宝そのた諸々を持った場所である。
とある街に住んでいる17歳の少女リンは玄関から聞こえる自分の名を呼ぶ音で目を覚ました。
「んぁ...こんな朝から誰...?」
最低限の身支度をし玄関へ行くと郵便局の職員が立っていた。
「おはようございますリンさん。お兄さんからの贈り物です。」
「え?なにかの間違いじゃないですか?だって兄は...」
リンの兄であるルイはこの世界に出現するダンジョンをこよなく愛する変態...いや、冒険者だった。家にも帰らずダンジョンに潜りようやく帰ってきたかと思えば自分の部屋に籠りまたダンジョンへと行ってしまう。ダンジョンに人生を狂わされた男と言ってもいいだろう。そんな兄は今から1年ほど前にとあるダンジョンで魔物に殺されてしまった。
今頃なぜ兄の持ち物が?そんなことをリンが考えていると職員は
「お兄さんからの手紙を読みますね。
やっほうリン。この手紙を読んでいる頃には愛しい兄は亡くなっているかな?実は郵便局に私が死んで1年後にリンへとこれを渡すように頼んでおいたんだ。え?なぜすぐ渡さないかって?きっとリンは最愛の兄を無くしたショックで1年は家から出て来れないと思ってな。きっとリンはこれを見た時人生が変わると思うよ。元気に暮らせよ!...これで以上です。それでは」
呆然としているリンをおいて職員は行ってしまった。
「とりあえず...中身見てみるかぁ...」
あの兄のことなのでろくでもないものには違いないだろうが金銀財宝の可能性も捨てきれずリンは中身を確認する。
入っていたのは───2つ。1つは本だった。本というよりメモ帳の方が近いのかもしれない。そのタイトルは 《ダンジョン攻略本》 。
「なにこれ...」
そうつぶやき本を開くと
びっしりと文字と絵が書かれている。
よく読んでみると兄がこれまで訪れたダンジョンの位置、そしてそこに出現する魔物、その対処法が書かれていた。
「家に帰ってもずっとこれ書いてたのか...」
そんなことを言いながらもう1つの中身を確認する。
「あ...?上手くあかないっ...んぁっ!?」
開けようと試行錯誤していると勢いよく開けてしまい中身が飛び出してしまった。
ゴトッと重そうな音がし机になにかが突き刺さっている。
それはナイフだった。漆黒の刀身に装飾の施された持ち手。とっても高そうなナイフだ。
「えぇ...危な...」
兄が書いたと思われる説明書があとから出てきたのでリンは読み始めた。
「
困惑しながらも読み進める。
どうやらこれは兄が見つけた財宝の中でもそこそこいいものらしい。それを愛しい妹のためにプレゼントしたようだ。
「あんのシスコン野郎が...」
ナイフなんて貰っても使わないしなんのために送ったのだろう...そう思っていると紙の後ろに走り書きを発見。
「兄の財宝が欲しければその短剣を持ってダンジョンへと赴くのだ!」
財宝...確かに兄はダンジョンに入り浸っていたしたくさんの財宝を持っていてもおかしくない。それが手に入ればいつまでも遊んで暮らせるかもしれない
しかしあのシスコンの思いどうりに動いてもなにか癪だ。
リンは夜まで悩み続け───。
ダンジョンへと赴くことにした。
といってもダンジョンに行くには冒険者登録が必要で家に引きこもっていたリンは冒険者とは縁が無かったので...
「行くかぁ!」
リンは冒険者協会へと出ることにした。
たくさんの冒険者が宴会をしたりクエストを受注したりしている。
「おぉう...結構人いるんだなぁ。」
そして受付へ行き冒険者登録を済ませた。
「おめでとうございます!これでリンさんも立派な冒険者です!まずは何をしますか?武器買いますか?それともクエスト行っちゃいますか!今なら簡単なクエストありますよ!」
食い気味で話す受付嬢にリンは
「あっ...武器はあるんだよね。」
と言い例のナイフを取り出しました。
「えぇ!?なんですかこれ!?見習い冒険者が持っていいレベルじゃないですよ!?これ
「あ...
と言いかけると
「
どうやら話を聞くと
「それで...ダンジョンに行きたいんだけど...」
「ダンジョン!?いくらこのナイフがあったって...あっ!ちょっと待ってください!」
と言い受付嬢はどこかへ行ってしまった。
「やっぱりダンジョンって難しいのかなぁ...」
そんなことを考えていると受付嬢がとある男を連れてきた。その男の腰には白く光る剣をつけている。
「ジャーン!この方が
「
「えっと...よろしくリンさん。」
「あっ...よろしくお願いしますリンさん。」
そして2人は小規模なダンジョンへと赴くことにした。
異世界ダンジョン物語 アカネ(永遠のスマホ勢) @akane0106
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