天使と悪魔、正義と悪。一度読み始めれば、その狭間で揺れ動かされる

まず特筆すべき点は、とことんこだわり抜かれた世界観。そして独自の概念や用語も多々登場するが、緻密な描写と適度な情報量のおかげで鮮明に映像として脳内で再生されます。

そこに映るのは、可憐で苛烈に戦う個性豊かな少女達の姿。

そして天使と悪魔、それらが既存のイメージから逸脱した役回りで、気付けば世界観にどっぷり浸かっていました。

冒頭の熾烈な戦闘シーンの中にも、キャラの個性が光る表現が散りばめられていてワクワクが止まらなかった。

そのイメージを抱いた上で日常シーンに切り替わるものだから、もうその頃にはキャラクターの虜になっているはずです。

とにかく、文章にしろ構成にしろ、緩急とギャップが素晴らしすぎる。
飽きがくることもなく、難解な表現に頭を抱えることもない。

夢中で読み進められる、素晴らしい作品です。

商業作品ではないのかと疑うほどの完成度だなと、素直に感じました。

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