最終話 世界を包む天獄! 戦いの果て!

「いやあああああああ…!!!返してえええええ!!!!!」

あれからバカゴブリン共はひたすら財産を奪われていき怒りを買ったものは殺されていった。

奪うのは今まで奪われる側だった陰キャ達だ。

「財産を根こそぎ奪われて家を燃やされた!もう飢え死にするしかねぇ!俺達が何したってんだ!?」

それでもバカは反省しない。

そもそも陰キャを傷つける事自体が罪という事実が理解できていないのだから。

「返せよ!俺達の仲間を…返してくれえええええ!!!!!!!」

性格が明るくないだけの人間を陰キャ呼ばわりする事は殺人にも等しい悪事である。

その言葉を他称に使った時点で重罪なのだ。

「何もかも奪われて生きていけない…この世に神はいないのか!?もしいるってんなら…あのゴミ共をぶち殺してくれよおおおおおおお!!!!!」

バカゴブリン共は被害者ヅラをしていた。

自業自得、因果応報、勧善懲悪という言葉を空想上のものだと断じ悪事を重ねてきたツケが回ってきただけだというのに…

だがゴブリンの中には絶望に明け暮れず戦い続けるお門違いなものもいた。

「このままでは人類は陰キャに支配される。このままでいいのか!?」

「んなわけあるか!ぶっ殺してやるぜ!!」

「いくら化け物に唆された超人だろうと兵器には敵わねぇだろ!あいつらが地獄に落ちるのを楽しみにしているぜ!」

「陰キャに支配された世界を救うのは…我ら【人類軍】だ!!!」

世界中の軍隊が手を組み陰キャ殲滅へと漕ぎ出したのである。


一方その頃

「よしっ…飾り付けはこのくらいでいいな」

コノエは40分後のソインの誕生日を祝う為の準備をしていた。

ソインは寝ている…だが側に置かれた目覚まし時計が深夜0時にセットされていた。

ソインはイベントが大好きだ。

ハロウィンもクリスマスも年末年始も本当に楽しそうだった。

だから10月8日の誕生日は日付が変わると同時に祝う事にした。

お世話になってるのもあるしここまで楽しみにされたら答えない分けにはいかない。

「プレゼントには悩んだよな〜。何あげても喜ぶからついつい色々買っちゃったよ。まぁこれならガッカリされる事もないか…ん…?」

【そこの陰キャ!手を上げろ!】

「なんで戦闘機みたいなのが僕の家の周辺に…?」

【陰キャのテロによって人類が滅びようとしている今服従を誓わない陰キャは撃ち殺していいとのお達しだ!それでも尚言う事を聞けないのか!】

「はぁ…時間ないんだけどな…適当でいいか…」

【天獄】

僕はかつての僕の必殺技【天獄】を習得した。

これもソインの特訓のお陰である。

【へ…?】

【うわああああああ吸い込まれるううううう!!!!!!】

【総員、退避…退避いいいいい!!!!逃げらんねぇえええ!!!】

「どうやらバカしか居なかったみたいだな。これで全滅したか?」

【この…ボケナスがぁ…はぁ…はぁ…】

「援軍がいたのか」

【我らを退けようとお前の運命は変わらんぞ!私の救難信号によってここにミサイルが落ちる事が決まったからな!】

「何だって!?そんな事したら…俺達は…」

【はっはっば!後悔してももう遅い!陰キャの癖に付け上がるからだ!どうだ?絶望したか?】

「ミサイルなんか俺達にはまったく効かないのにバカゴブリンだけが無駄死にする事になるぞ!?それが分かってて言っているのか?」

「はぇ?」

そうだ誰一人効かないのだ。


〜〜〜

「次は耐性訓練やるよー!どんな攻撃でもへっちゃらになっちゃおー!」

「それってどういう事?」

「ゴブリンの悪意には底が無いって言ったよね?それってね気に入らない人間を排除する為だけにミサイルを使うかもしれないって事なんだよ」

「えぇ…!?そこまで言われると驚きを隠せないけどゴブリンがクズすぎるって言うのは同感だよ。完全駆除の為の力はいくらあってもいいし早速やろうか。」

「じゃあスパークリングするから暴れてもいい場所に移動しよう!」

「えっ?」

こうして結構ちゃんとハードな特訓が始まったのだった。

3日後

「おりゃあ!!」 

「おっと!いいパンチだね!わたしの猛攻をくぐり抜けられたね!すっごく偉い!」

そうやって僕の頭を撫でるソイン

ソインの連続パンチを避けて一発入れるのは豪雨に当たらずに帰宅するようなもの…それくらい困難な特訓内容だったが僕はなんとかやり遂げた。

「ふぅ…ようやく板についてきたよ。なんだかんだで一番苦労した感じがするよ」

「わたしの攻撃になれちゃったからもうミサイルなんかへっちゃらだよ!」

「それに関しては信じられないなぁ。まぁ強くなった実感はあるけどね」

〜〜〜


バゴーーーーーーン!!!!!!

「耐えれちゃったよ。ゴブリンはちゃんと全滅してるしミサイルだったんだよね。後遺症的なのもないんだよね?」(結局後遺症はありませんでした)

「ようやくこれでソインの誕生日を祝えるな…うーん…」

僕もソインも無傷だが家は全壊していた。

「放送局でも借りて準備し直すか…ん…?この気配は!?【テレポート】」

ゴブリンとは比べ物にならない程の強敵の出現を感知した僕は転移した


「悪魔様!人間の命を捧げます!どうか陰キャ共を滅ぼしください!」

天使により壊滅した世界。

もう抗う術はないかと思われたが盲点だった。

天使がいるなら悪魔もいるのだ。

そして悪魔の力は天使に匹敵する。

だからこそ古瀬タクヤは悪魔召喚を試みた。

【この悪魔神ゴブファーザを召喚したのは汝か?その通りなら呼び出した理由を申してみろ】

「はっはい!その通りでございます!今この世界は化け物に唆された陰キャによって滅ぼされようとしています!化け物は天使の様相をしており彼女らに鍛えられた陰キャは兵器ですら殺せず虐殺を繰り返しています!人間では…人間如きでは勝算が無く天使に打ち勝てる存在は悪魔様しかいないと思い…」

【もうよい。理解した。つまり滅亡さえしなければ対価がどれ程高くても構わないという事だな…家族も友人も死んだか…?】

「はい…残念ながら…」

【なら…無作為で構わない。陰キャ以外の人間(ゴブリン)を20億人程喰らうぞ。生存の為の手段はこれしか無いと思うが良い】

「あ、ありがとうございます!どうかあのクズ共に裁きの鉄槌を!」

【ならば早速食事に入るとするか…】

【天落】

悪魔はトゲトゲとした赤い玉を天空へと放った。

「なんだあれは!?」

「これから何が始まるっていうんだ!?」

「何か不気味だな」

【蝕め】

赤い玉から無数のトゲが伸びそこにいたゴブリンを吸収した。

「あぎゃっ!」

「かひっ!」

「うげげっ!」

ゴブリン共は飲み込まれた時点で悲鳴を出す事すらできず悪魔に消化された。

この一瞬で20億ものゴブリンが喰い殺され悪魔の養分となった。

【おお!力が湧いてくるぞ!!エネルギー補給さえ済ませてしまえば天使如き敵ではない!】

【せっかく吾輩が生み出したゴブリンを喰うハメになったのは釈だが…全滅するよりはマシだ!かつては陰キャ如きに返り討ちにされたが今度はヘマはせん!…吾輩好みの悪意に満ちた世界を!ゴブリンを救う事によって実現して見せる!】

思えば…苦労の連続だった…

吾輩は昔から天使が嫌いだった。 

嫌いな天使に攻撃する為にゴブリンを生み出したのだ。

生まれたゴブリンは美しい姿の天使に

嫉妬し嫌がらせを始めた。

目論見通りに事が運び吾輩は喜んだ…

だが…

「四肢をバラバラにされた気分はどうだ?バカ野郎」

「くそっ…くそがあ!どうしておれがこんな目に…妻の仇に殺されるなんてよぉ…」

ゴブリンを狩る狂った人間が現れ始めたのだ。

やがて助け出された天使は成長しあろう事か吾輩を追い詰めた。

吾輩は焦った【天獄】などと言うふざけた技によって永遠の責め苦を味わうかもしれなかったからだ。

【天獄】によって限りなく苦しみ続けるくらいなら死んだ方がマシだ!

【チョイスリィンカーネーション】

【ぐおおおおおおお!!!!!!やがて蘇った吾輩が貴様らを滅ぼしてやるからなあああああ覚えてろよおおおおおお!!!!】

特殊な炎に焼き焦がされる事で一時的に霊体になった我はゴブリンに憑依しながら活動を続けた。

だが悪魔として復活するには膨大な時間と憑依対象の乗り換え、そして大量の供物が必要だった。

家族や友人を全滅させる程の命が必要不可欠な故

とにかくハードルが高い。

悪魔を呼ばないとゴブリンが滅亡する程の状況でなければ吾輩が召喚される事はあり得ない…

だが…時は来た!

吾輩に歯向かった人間共の転生体は繁殖したゴブリンによってゴミ扱いされていた。

それが功を奏したのだろう。

反逆者の元にかつて助けた天使が集いゴブリンの

脅威となったのだ。

吾輩が必要とされる程に…

【誤算だな…吾輩本来の力も失われたか…ゴブリン一匹で10程度の力しか増えんのか…まぁそれでも戦闘力200億となった吾輩なら天使と反逆者なと一網打尽だがな!ふははははは!!!!!】

「ゴブリンを狙って殺すから味方かと思った。お前が元凶だな?終止符を打ってやる!」

ゴブファーザの元にコノエが現れた。

反逆者と天使達の平均戦闘力はたったの1000万。勝てるわけが…

突如して光柱が降り注いだ。

「ゴブリンを食って強くなったみたいだが…僕らだって強くなったぞ!【ヴィクトリーエール】」

ゴブリン狩りの様子をテレビで発信していたのが功を奏したのだろう。

【ヴィクトリーエール】によって真っ当な人間達にコノエが戦っている事が伝わった。

元凶と戦うコノエは真っ当な人間に応援され、

応援がコノエへと届く!

【ゴブリンなんかに負けないで!】

【私達に希望をくれた貴方を信じるわ!がんばって!】

【絶対に負けるな!ヒーロー!!!】

【俺達には応援する事しかできないかもだけど…】

「大丈夫さ…優しすぎる天使に導かれた僕達は…きっと前に進んでいける…力をもたらす光の柱は皆の元に降り注いでいるんだからな!」

【ヴィクトリーエール】によって降り注いだ応援は光の柱となり正しきものの力増幅させ、ゴブリンを消滅させる。

そして悪魔を大幅に弱体化させるのだ!

【な、なんだこの光は!?力が…抜けていく…だと!?】

「僕達が奪われたものを全部取り戻すぞ!」

ゴブファーザの戦闘力は427分の1にまで減少しコノエ達の戦闘力は427倍になった!

こう説明するのは語弊があった。

1秒毎に427倍の増減が発生するのだ!

もはや悪魔神ゴブファーザなど敵ではない!

【やめろぉ!!弱いもの虐めをして楽しいか!?】

「お前にだけは…言われたくない!【閃獄】」

生成した輝く剣によってゴブファーザを引き裂いていく。

【ガハアッッ!!!!ゴブウウウウ!!!痛ぇよぉ!なんでこんな事するんだよぉ…ぐぅううう!!うげえええええ!!!!!やめてくれよおおおおお!!!!!ぎょええええ!!!!】

威厳のある口調も保てず喘ぎ苦しむゴブファーザ

「そろそろ終わらせないと誕生日に間に合わないな…今ならできるかもな…【天獄】を越えた【天獄】が!はあああああああああ!!!!!」

僕の体が更に光り輝いた。

【真・天獄】

しゅきーーーーーーーーーーん!!!!!

コノエから放たれた光が世界を覆った。

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ

あ!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

ゴブファーザとゴブリン共は消え失せ【天獄】同様の永遠の苦しみが確約された!

「終わった…のか…!?時間は?11時58分!?急がないと…【テレポート】」

僕はソインを連れて放送局へと転移した


ジリリリリ!

「誕生日おめでとう!!」

「わー!!!プレゼントがこんなに!嬉しいなー!!!ありがとう!」

深夜は二人で祝い友達が昼から合流する手筈だ。

今日ゴブリンを根絶できるとは思ってなかった所に急に根絶させた事を考えると皆忙しくなるよなぁ

「ホントはもっと買ってたんだけど…色々あって無事だったのはこれだけなんだ…後で欲しいの買うよ」

「十分だよ〜愛がたっぷり籠もってるもんね!所でコノエお兄ちゃんボロボロだけど…」

「元凶の悪魔ごとゴブリンを根絶させたんだ。パワーアップした【真・天獄】でね」

「すごーい!コノエお兄ちゃん世界の救世主だね!寝ててごめんね?」

「でも今日くらいだろ?まともに寝れてたのって」

修行の考案などをしていたからだ。

「あはは…お兄ちゃんにはお見通しかぁ…明日からゆっくりさせてもらうね?」

「ああ、ゆっくり休んで元気が出たらいっぱい遊んで…二人で幸せになろう」

「それって…告白!?」

「ぶふぉ!?」

この二人はやがて結婚し生まれた子供が大騒動を

起こすのだが…それはまた別の話だ。



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陰キャウォーズ〜犯罪者に仕立て上げられた無能陰キャ達(本当は超有能)は美少女天使に導かれ努力チートでクズ共を蹂躙する〜 yu @yuyu1341

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