第10話 陽キャ完全服従法!逆らったら死刑!
「クソがあっ!!また陰キャが人を殺しやがった!犯罪者風情がぁ!何故一人たりとも捕まらんのだ!」
ワシの名前は早田理太郎。
総理大臣だ。
「私の家族も陰キャに殺されました…クっ…この世には神も仏もいないのですか!?」
「法律だ!陰キャ共を止めるにも法律の力が必要だ!陰キャだというだけで取り締まれるようにならなければ人類が滅んでしまう!」
ワシ達は話し合い新しい法律を作る事を決めた。
その法律の名は…【犯罪予備軍完全服従法】
犯罪者の極めて多い役立たずの陰キャは真っ当な人間に絶対服従する事を義務付けられ歯向かえば任意額の罰金を要求できる。
それも断れば死刑という大変素晴らしい法律である。
「素晴らしいですね!これで…陰キャに殺された家族も報われます!」
「この法律によって陰キャによる犯罪は激減し犯罪率は99.99%減少する見込みです。」
「最高だ!これで陰キャが支配する世界に平和が訪れる!今すぐにに…」
「こんな横暴僕達が認めないよ」
「はぇっ?」
「早田様…首が…首が!?きゃあああああああああ!!!人殺しいいいいいい!!!!!!」
「ばっ化け物!?何が望みなんだ!?恨まれる事なんてしてないぞ!?」
「頼みを聞いてくれたら殺しはしない。こんなふざけた法律は認められない。それと…」
【久しぶりだなー!エンジェルTVの時間だぜー!
「総理大臣がゴブリンから真っ当な人間の葉月コノエ」に変わったぜ!そろに伴って新しい法律が生まれたその法律の名前は…陽キャ完全服従法】
「「「「「「「「「「「は!!!????」」」」」」」」」」」
【新総理大臣のコノエから詳細を話してもらうぞ!VTRスタート!】
【性格が明るくないだけの人間を見下してるバカ共に会ったら絶対服従で気に入らない事があったら罰金を要求していいよ。払えなかったら死刑にするよ。これくらいしないと僕らを人でなし扱いし続ける陽キャはいなくならないからね。僕らにも人権があるって事ちゃんと理解しておくべきだったね】
「「「「「「「「「「「はーーーーーーーーーーーーーーーー!!!????」」」」」」」」」」」」
この瞬間数多のゴブリンの心が一つになった。
おれの名前は小村タロウ。
絶賛活躍中の俳優だ。
めちゃくちゃな内容のニュースを見ながら驚愕している所だ。
「こいつ…頭狂ってんのか…!?」
アイドルを虐殺されたあの日と同じように化け物と陰キャに乗っ取られたテレビ局からイカれた番組が放送された。
「陰キャが余計な事しかできないゴミってのは分かってるがこんな事可能なのか!?」
当然の感想を叫んでいるとインターホンが鳴った。
「なんだよ。この忙しい時に…って鳴神!?キモい陰キャの癖に何来てやがんだよ!?猥褻物陳列罪って知ってるか?」
同じクラスメートでイキリ陰キャの鳴神はとにかく見た目も言動も気持ち悪い。
無論学校にいる全ての人間がこいつの事をキモいと思っている。
無実の人間を冤罪で何度も通報するのが日課だと言えばこいつのキモさが伝わるだろうか。
「聖河様。今すぐこの不届き者を駆除してもよろしいでしょうか?」
「いいや、オレがやる。こいつを付け上がらせたのは自分だからな。バフ魔法くらいならいいけど」
「かしこまりました【パワフルマジック】」
「ありがとう、ミント。なぁモブAオレに言う事ないか?悪口以外で」
爆乳の天使を引き連れた陰キャはめちゃくちゃな事を言いだした。
モブAって何だよ。陰キャ以外の全ての人間は自分の人生と言う名の物語の主人公だと言うのに。
(それが分からない陰キャのみ例外)
言う事ってなんだよ。迷惑行為を続けてきた陰キャのお前が生まれてきた事を謝罪するべきなのに…そもそもなんでこいつは偉そうなんだよ。陰キャは偉そうな奴多いけどこいつは特に偉そうだ。
立場の分からせはこいつが暴れる度にやっていたのだが陰キャは頭が悪い。
ちょっと時間が空いただけですぐに忘れてしまう。
おれはいつものようにこの陰キャに身の程を分からせてやる為に拳を握った。
「おら…死に」
【ライトニングシフト】
陰キャの体に雷鳴が迸った。
「ひぎゃああああああ!!!腕が!!腕が!!!野郎何て事しやがんだぁ!!」
バカの右手は二度と動かなくなった。
「これで自分の立場が分かったか?バカ1号」
こいつにモブAと言う言葉は重すぎるので俺が命名してやった。故に。
「元々の名前は名乗るなよ?お前は「バカ1号」だ分かったらワンと鳴け」
「て、てめぇは奇行には走ろうともここまでの悪事まで働くとは思わなかったぜ…だがこれでてめぇは立派な犯罪者だ!警察が黙っちゃいねぇ!なんなら親父が警察官だからな!早くきてくれ親父!このバカを捕まえ…」
「た、大変申し訳ありませんでした聖河様ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
「え?」
「え?じゃないこのバカ息子!土下座しろ!土下座するんだ!!!!!」
「ほぶぅっっ!!えっ?えっっ!?」
おれは親父に殴られた
「オレ怒鳴り声嫌いなんだけど、悪いのがバカ1号だけだと思うなよ?子を生んだ親が全部悪いって事にしてもいいんだからな?」
「そ、それだけは!子供がもう時期生まれるんです!どうか…どうかご勘弁を!!」
「法律さえ守ってれば妻の無事は確約してた所なんだけどなー」
「オレ思うんだよね。人の痛みが分からないクズには不幸であって欲しいって。だからお前らが償いもせず生きる事を認められない。そこでだ…」
「今日のエンジェルTV見た?【陽キャ完全服従法】って言う素晴らしい法律が生まれたんだよ。だからお前らの財産全部賠償金として回収する」
「「は!?」」
「娯楽品は当然没収。家具も家も生きていく為に必要なものは全部没収だ!食べ物?クズにはいらないだろ?オレはお前らみたいな奴に食べ物を口にする幸せを感じて欲しくないんだ。ミント、こいつら貼り付けにしといて」
「かしこまりました、聖河様。仇に対してさえ優しいのですね【アイシクルピアス】」
尖った氷がバカ一家の肩を貫き壁に縫い付けた。
「ひぐっ!」
「ぐぇー〜〜!!」
「ミントだけだ。そう言ってくれるのは。君の言葉すら信じれない程オレは酷い扱いを受けていたからな」
「や、やめてくれーーー!!!この家にあるものは全て家族との大切な思い出が詰まっているんだ!何一つ奪われていいものじゃない!」
「オレは陽キャの嫌がらせのせいで×殺を考えていたぞ?オレの命は奪われていいものなのか?」
「はーーーっっっ!!!???てめぇの悪さを叱っただけでそこまで言われなきゃなんねぇのかよ!?死ねよ!陰キャの分際で人権があると思うなよ!」
「との事ですが如何なさいますか?」
「は〜〜〜〜……(後でミントに慰めて貰おうっと)」
「本当に全財産奪うぞ。手伝ってくれ。泥でも食わないと餓死する程度にな」
「かしこまりました」
荒らされる我が家。
次々とオレの家から物が押収されていく。
「何してくれんだこの陰キャあ!!!!陰キャ如きが奪っていいものなんて…何一つねぇだろうが!!!殺す!殺してやる!!てめぇら陰キャは生まれてくるべきじゃなかったんだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」
1時間後金目のものは全て回収され残った家は燃やされた。
「なんて事をしてくれたんだ!!これでは妻が無事だろうと一族飢え死にだ!」
「残当だろ。バカ1号だけじゃなくお前もクズなんだからな」
「性格が明るくない人間の誤認逮捕は最近まで多発していたと聞きます。憂さ晴らしが目的という事は先日の尋問で明らかになりましたからね。拷問すらしない時点で優しすぎると言えるでしょう。さすが聖河様です」
「ありがとう、ミント。押収物の寄付は明日にして今日の所は帰ろうか」
「待てっ!待ちやがれ!!」
陰キャと天使の姿が見えなくなった所でようやく動けるようになった。
「このバカ息子が!!!」
「ごべぇ!!!」
すぐさま親父に殴られた。
「従っていれば…従ってさえいれば少なくとも私達は安全だったのだぞ!権力を持った陰キャがまともなわけがないだろ!関わってはいけなかったんだ!こうなる前に絶縁しておけば…」
ぐさっ
おれは親父をナイフで刺した。
「は…!?」
「違う!!格下には強気な陰キャに弱気な態度を取るから何もかも失ったんだ!全部親父のせいだ!だから親父はここで死ね!俺が奪い返してくるからな!」
「お…まえ…後悔を」
「するのはてめぇだクソ親父」
親父は死んだ。
あの陰キャ野郎はあまり遠くへは行ってねぇはずだ。
待ってろよクソ野郎!
5時間後
おかしい。
何故陰キャが誰一人としていねぇんだ!?
オレは犯罪を犯すつもりなんてねぇから陰キャしか狙わねぇのによ…
クソっこうなったらなりふりかまってらんねぇ!
奪ってでも生き残ってやんよ!!
「おいクソ女!金と食料を出しやがれ!!!」
俺は民家へと侵入した。
「キャーーーーーー!!!!!!!助けてーーーーーーーーー!!!」
「助けがくるわけねぇだろ!!!従わねぇなら殺して奪うぞ!!!!」
そう言って俺は陰キャから逃れる為に空き家に隠れていた子供の出産が近い母の命を奪った…
あれ?
「気づかなかったのか?誰を狙っていたのか」
そこに表れたのは陰キャ野郎。
「てめぇは…陰キャ野郎!!ぶっ殺してやる!!!!」
「お前はオレの事をバカ扱いしていたが本当にお前より下の人間がいると思うのか?」
「あぁ!?何をほざいてんだ!?」
「この…さ…じん…き…ころ…て」
「まかせろ…仇は取ってやる」
「ちょっと気に入らない事があったくらいで親を殺していいわけがない。お前の命を終わらせてやる」
「死ぬのは…てめぇだああああああああああ!!!!!!!!!」
「【神剣ワールドエンド】」
陰キャがそう叫ぶと巨大な輝く剣が現れた。
「ひっ!」
「悪意を引き裂け…」
そして振り下ろされた。
バシュッ
「ふぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「世界を滅ぼせる程の威力を圧縮して一人の悪人に与えられる必殺技だ。精々苦しんで逝け」
「ぎぃやああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
「ふう…やっと帰れるな。トドメを刺す為に待たせちゃったな…ミントあれでヤキモチ焼きだから思いっきり愛でてあげないと…好物のケーキでも買っておくか…」
こうして危険を察して逃げなかったものを除いた全ての陽キャは人権と財産を失い、押収物は真っ当な人間へと寄付されたのであった。
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