第37話 だから誰だよお前2!
「おい、お前!早く逃げろ!!」
とカインが言ってくる。
「いえ、大丈夫です。ここは僕に任せてください」
僕はそう言って前に出た。そして、その男?に向かってこう言った。
「お前は何者だ!なぜこんなことをする!」
と僕が言うとその男?はこう答えた。
「私は死霊王。貴様らが攻撃してきたから迎撃したに過ぎない」
「なっ……!」
こいつが死霊王!?まさかとは思ったが、本当に死霊王だとは。こんなに早く見つかるとは思わなかった。とりあえずこの場を切り抜けなくては……
『おい!撤退しろ!』
と拡声器を使ってゴルド団長が叫んでいる。しかし背を向ければ確実に死ぬのがわかる。
僕は仕方なく剣を構えた。ちなみに剣は支給品のため、そこまで耐久面や威力面で期待はできない。
しかし、無いよりはマシだろう。
「ほう……やる気か……」
死霊王はゆっくりと近づいてくる。そして、僕の目の前にまで来ると手を前に出しこう言った。
『デス・スピア』と。するといきなり無数の槍が出現したかと思うと僕に飛んできた。僕はそれを必死に避けるが……避けきれなかったようだ。肩を少し掠ってしまったらしい。血が出てきたのを感じる。その隙に死霊王は次の攻撃を仕掛けてきた。今度は巨大な鎌だ。そしてそれを振り下ろしてきた。僕はそれをなんとか避けたが、体勢を崩し、その場に倒れてしまった。死霊王は、僕の胸に巨大な鎌を刺そうとしてきた。
「くっ……!」
まずい……このままでは確実に殺される……!!そう思った瞬間だった。突然死霊王の背後から声が聞こえたのだ。
「《サンダー・ブレイク》!!」
と。すると死霊王の背中に電撃が落ちてきてそのままヒットしたようだ。そして、死霊王は退いた。どうやら少し効いているようだ。
「大丈夫か?」
そう声をかけてきたのは、なんとカインだった。じっと相手の隙を窺っていたらしい。さすがBランク。
「えぇ……なんとか……」
と僕は言いながら立ち上がった。
そして、死霊王のほうを見ると彼は不敵な笑みを浮かべこう言った。
「貴様、よくも私の楽しみを邪魔してくれたな」
どうやら、こいつは生き物が死ぬ姿を見るのが楽しみらしい。すると突然カインが大声をあげた。
「お前ら魔王軍は........魔族は何が目的なんだ!」
しかし、その問いには答える気がないらしい。死霊王はこう言った。
「貴様らに教えることなどない!ここで死んでもらうぞ!」
そういうと、今度は無数の黒い槍が出現した。そして僕たち目掛けて飛んできた。
僕たちはなんとか避けようとするが数が数だ。避けられないのも出てくる……しかし、その時だった。僕の目の前に突然1人の女性が現れたのだ。その女性は剣を構えてこう叫けび、剣を振った。
『《ホーリー・ブレイド》!!』
すると、無数の槍は全て消滅したのだった……
「なっ……!何者だ!」
死霊王は驚愕の表情を浮かべていた。無理もない、自慢の攻撃を全て防がれたのだから。そして女性は剣を構えたままこう言った。
「アタシかい?そうだねぇ.......異世界から召喚された勇者の一人、サカグチ・マイさ」
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魔王『軍!?』を養うことになりました。 〜養うって何なのかわからなくなりそうです〜 桜田かける @sakuradakakeru
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