第4話 希望の未来へ
ユキが度重なる病気を乗り越えた日々は、さくらと美咲にとって特別なものとなりました。ユキが元気になったことはもちろんのこと、家族の絆が一層強くなったのを、二人は深く感じていました。
ユキは以前にも増して、さくらと一緒に遊び回るようになりました。庭で駆け回ったり、家の中でボールを追いかけたり、そのたびにさくらの笑い声が響き渡りました。ユキがそばにいるだけで、家中が温かい雰囲気に包まれていくのです。そしてある日、さくらは美咲に言いました。
「お母さん、ユキが病気になって怖かったけど、そのおかげで、ユキがどれだけ大切か分かったよ。これからもずっとユキと一緒にいたい。」
美咲はさくらの成長を感じました。さくらは、ユキをただのペットではなく、かけがえのない家族の一員として受け入れていたのです。
美咲もまた、さくらの言葉に心が温かくなり、そっとさくらの頭を撫でました。
「そうね、ユキは私たちにとって、とても大切な存在よ。これからもずっと、一緒に笑って、泣いて、楽しい時間を過ごしていこうね。」
美咲の言葉に、さくらは力強く頷きました。
それから数年が経ち、さくらは中学生になりました。ユキも年を重ね、少しずつ動きがゆっくりになってきましたが、それでも二人の絆は変わることなく、むしろさらに深まっていました。
ある日、さくらはユキと一緒に庭に座りながら、ふと思いました。ユキと過ごしたこれまでの日々が、どれほど自分の成長に影響を与えてくれたかを。ユキがいたからこそ、さくらは優しさや思いやりを学び、困難を乗り越える力を得たのです。
「ユキ、ありがとう。これからもずっと一緒にいようね。」
ユキは穏やかな目でさくらを見つめ、まるで「もちろんだよ」と言わんばかりにしっぽを振りました。その瞬間、さくらの心は深い感動で満たされました。ユキとの日々が、これからもずっと続いていくことを強く感じたのです。
その後も、さくらとユキと美咲は、いつまでも笑顔で過ごしました。ユキがそばにいることで、さくらと美咲はお互いを大切に思い、愛を育み続けました。
やがて、さくらは高校生になり、忙しい日々が続くようになりましたが、帰宅すると真っ先にユキに話しかけ、家族との時間を大切にしました。
ユキの存在が、さくらにとっても美咲にとっても、日常の支えとなっていたのです。ユキがいなければ、さくらと美咲の関係も、ここまで深まることはなかったかもしれません。
ユキはただの犬ではなく、二人にとっての「絆の象徴」でした。そして、これからもユキはずっと、二人の心の中で生き続けることでしょう。
家族とは、お互いを支え合い、愛し合う存在――ユキはそのことをさくらと美咲に教えてくれました。これからも続く、家族の温かな日々を、ユキと共に過ごしていくことでしょう。
さくらの心には、ユキとのたくさんの思い出が、永遠に刻まれていました。
時間が経つごとに、その思い出はより一層輝き、彼女の心に温かい光を灯し続けることでしょう。
-完-
小さな犬の大きな愛 神和(しんわ) @nanacho3000
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