手に汗握る、武に身を捧げた"ひとでなし"どもの果たし合い

個人的所感ですが、2020年代のバトル小説の最高峰の一つではないでしょうか。
まず、最初の8文だけでも読んで頂きたい。字数にしてわずか226字。
読んで心が踊ったのならば、是非とも続きも。

ここに語られるのは武のみを生のよすがとした猛者たちの、ひりつくような"命"の果たし合い。

文章は分かりやすく、読みやすく。
それでいて最大のお楽しみの戦闘は、強者の気迫が胸に差し迫る圧巻の情景。

するりと頭に入ってくる剣の術理、そして壮絶でもあり、あっけなくもある武人の来し方逝く末の涼やかですらある描写がたまりません。

楽しみはそれだけではなく、少しずつ明かされていく世界観の詳細や、何より地に轟く天下五剣という最強格たちが如何なる剣を振るうのか、謎めいた部分にも魅力があります。

加えて主人公がなんとも……なんとも訳あり。
過去の開示も楽しみの一つです。

著者の方の今後の執筆を心から応援しております。