輝く夏の思い出として、心に残り続けるお話。かけがえのない黄金の子供時間

 小学校の夏休み。
 内気な男子ゲンちゃんを誘いに来たのは、同じクラスの女子のレイちゃん。
 外に遊びに行くのをためらうゲンちゃんを、やや強引に連れ出します。

 でも、こんなふうにグイグイ引っ張ってくれる子でないと、家にこもりがちなひょろひょろしたゲンちゃんは、自分の殻を破って外に遊びに行けなかったでしょう。

 夏休みの戸外は、暑い日差し、草や木の匂い、蝉の鳴く声。
 遊ぶふたりの描写が素晴らしくて、子供の頃の夏の日がこみあげてくるようでした。
 夢中で遊ぶふたりだけの黄金の子供時間。
 そしてふたりは、不思議なものも見つけます。
 それは、成長していく過程で脱ぎ捨てていくものの象徴なのでしょうか。

 輝く夏の思い出として、消えず心に残り続けるようなお話です。
 余韻もいいです。
 ぜひおすすめします。

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