わたしが、1番辞めるのに、苦労したSNS

白鷺(楓賢)

本編

私は、これまでいくつかのSNSを利用してきましたが、その中で最も辞めるのに苦労したのがX(Twitter)です。このSNSは、私にとって一番長く使い続けたものであり、その分、愛着もありました。しかし、それ以上に中毒性が高く、辞めることが非常に難しかったSNSでもあります。


#### X(Twitter)が持つ中毒性の理由


Xの魅力は、そのシンプルさにあります。アカウントを作成し、プロフ画像とヘッダー画像さえ用意すれば、すぐにでも始めることができます。投稿も140文字以内の短い文章で簡単にでき、わざわざ考え抜く必要もなく、気軽に思ったことを呟くことができます。この手軽さこそが、Xを中毒性の高いSNSにしている大きな理由です。


さらに、一定数の投稿を続けていれば、フォロワーが増え、誰かと繋がっている感覚を得られるようになります。私は、この繋がりを感じることに依存し、常にXを開き、他人の投稿を見ては、自分も何かを発信しなければならないというプレッシャーを感じていました。


#### 他者比較と心の傷


しかし、Xを利用する中で、私には次第に負の感情が増えていきました。まず、他者と自分を比較する意識が強くなり、誰かが成功しているのを見るたびに、自分が劣っているように感じることが多くなりました。また、心無い言葉を目にすることもあり、それが心に大きな傷を残しました。Xは気軽に利用できる一方で、メンタルに大きな負担をかける場所でもありました。


#### やりたいことが後回しに


Xの中毒性は、私の時間の使い方にも大きな影響を与えました。気づけば、ずっとXを開き続け、何度も投稿することに時間を費やしていました。その結果、本来やりたかったことが後回しになってしまい、重要なことを先延ばしにする日々が続きました。


Xを辞めた後に気づいたことは、その時間がどれだけ無駄だったかということです。やりたいことに集中できないだけでなく、精神的にも疲弊していたのです。


#### 辞めることの難しさ


Xを辞めると決めた後も、何度も再登録しようとする誘惑に駆られました。X以外のSNSは、比較的すんなりと辞めることができましたが、Xだけは特別に中毒性が強く、完全に気持ちを切り離すまでに非常に時間がかかりました。何度も引き戻そうとする力を感じ、抜け出すのがいかに難しいかを実感しました。


#### SNSの中毒性とその影響


私にとって、Xは決して満たされることのない場所でした。便利ではあったものの、やりたいことを簡単に先延ばしにさせ、メンタルに大きなダメージを与えるものでした。情報が溢れ、劣等感を強く感じることが多かったため、今振り返ると、当時の自分の時間が無意味だったとさえ感じています。


もちろん、Xで成功している人や、充実した活動をしている人もたくさんいます。それでも、中毒性や劣等感の強さ、そしてやりたいことを後回しにしてしまうリスクを考えると、SNSは簡単に辞められるものではないということを強く実感しました。


このエッセイを通じて、SNSの中毒性とそれがもたらす悪影響について、多くの人に考えてもらえるきっかけになればと思います。SNSは確かに便利なツールですが、その使い方には十分注意し、自分の本当に大切なものを見失わないようにすることが重要です。

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わたしが、1番辞めるのに、苦労したSNS 白鷺(楓賢) @bosanezaki92

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