オマケ
勇者と僧侶、あの部屋に落ちる ⚠R15
注:本作は性的表現があります
────────────────────
───ここはどこなのか……いつも宿泊している宿屋の1部屋より少しばかり広くいそこはピンクな雰囲気が漂っており、家具と言える物は大きなダブルベットくらいしかない。
それ以外だと……水の魔法石、炎の魔法石にブルースライムからドロップする青い液体と怨霊からドロップする薄くて白い何かがいくつかベットの上に置かれている。
そしてこの部屋において何よりも目立っているのは今僕と勇者が目の前にしている扉に大きく書かれた「S〇Xしないと出られない部屋」(※中にいる2人は〇の中身が見えている)という文字であった───
『どうしたの僧侶?最近元気ないけど……』
今、僧侶の前を歩き心配してくれているのは「勇者♀︎」である。
僕、いや僕たちは今日もいつもの様にパーティメンバーと共にダンジョン攻略をしているのだけど、最近とある事に悩まされていた僕は重たい瞼をなんとか開いてダンジョンの中を捜索していた。
『えっと最近よく眠れてなくてさ……』
そう僕はとあることが原因であまり眠れないでいた。
『そうなんだね……僧侶疲れてるんなら休んでもいいんだよ?』
『いや……でも僕が居ないと皆が状態異常にかかった時に危険だがら』
そんな事を呟くと後衛を担当している
「戦士♀」が口を開く。
『そうは言っても僧侶が既に眠気の状態異常になっていた様なものだぞ?まぁ
『もしかして二人とも眠たいの?』
勇者はその理由がイマイチピンときていない様だけど僕と戦士の2人はとある物に悩まされている。
それは夜に宿屋で睡眠をとる時間に
「とある行為」をしている二人の男女が原因である。
勇者は睡眠が相当深いタイプなのか、それとも「そういった事」に鈍感なのか……
『多分ウチらのせいじゃよな……?』
『あぁ、そうだろうな。でも魔法使いが可愛すぎるのが悪いんだからな?』
『遊び人……他の奴らが見てる前ではやめるのじゃ』
そう口にするのは遊び人と魔法使いである。
この2人こそが僕の抱えてる悩みの原因だ。
先日のとある1件 が起きた日以降なぜだかこの二人の距離感が変わりだし、今では勇者も含め全員がこの2人の関係を理解している。
最初は不真面目な遊び人によるふざけた行為が無くなり、よく女の子いじりされる僕は嬉しく思ってたけど……それがいつの間にか毎日の様に騒音を立てるようになっていた。
『ねぇ魔法使い……どうにかあの音をどうにかしてくれないかな?』
僕が戦士の言いたいことも代弁し、そんなことをお願いしてみる。
『そうじゃな……音を外に漏らさない魔法があるからそれを使うようにしよう。迷惑をかけてすまんかったな…………───そろそろウチらの関係も見せつけられたしな』
『そっか、そうしてもらえると助かるよ』
『おう、お前らに迷惑かけちまったみてぇで悪いな』
本当に遊び人は変わったな……
前までは謝るにしてもからかう様な言葉を口にしてから謝ってたのに。
それと何故か背筋がゾワッとしたのは気のせいだろうか?
『よーし、じゃあ今日はこの層が最後ね』
ダンジョンの下の層に降りると勇者がそう告げた。
『そうだね、じゃあトラップに注意して進もう』
ダンジョンの多くは下の層に行くほど危険なトラップが増えていく。
中には当たると1時間ほどて死に至らせるような毒の付着した弓矢が飛んでくることもあるので僕の様な状態異常を直せる人物はダンジョン攻略においては必要不可欠なのである。
───そうして僕らは慎重にダンジョンを探索していたのだが……
『危ないっ!』
僕達の他にダンジョンの攻略に赴いたであろう1人の冒険者の女がトラップを作動させてしまったらしい。
それに伴いダンジョンの床の1部が開く動作が見せると勇者が身を乗り出していき女を戦士のいる方へ飛ばす。
その代償として勇者はトラップの穴へと落ちていく。
その光景に足が止まってまうが、穴が再び閉じようとしているのを見て即座に穴へと飛び込んだ───
『ここがどんな場所かは分からないけど、危険なトラップじゃなさそうでよかったわね……』
僕と同じく、一通り部屋を観察したらしい勇者がそんな感想を述べるが……
『多分……勇者が思ってるよりこの部屋は危険なものだよ』
『え?』
「そういったこと」に鈍感な勇者はS〇Xがどんなものか分かっていないらしい。
かく言う僕もS〇Xに関する知識は遊び人から聞いた程度でしかなく、具体的な事は分からないのだが……
『あのね勇者……S〇Xっていうのは1人じゃ出来ないんだよ。もし1人で入ったら死ぬのを待つしかない恐ろしい場所だよ』
『……S〇Xが何かは分からないけどそうなんだね?一緒に僧侶が来てくれてよかったぁ』
それは本当にそうである。
というかS〇Xなんてできるのか!?
なんにせよS〇Xがどんな行為なのか勇者に教えないと……
『あのね勇者、S〇Xっていうのはね──────』
『えっ……ちょっと僧侶何言ってるの!?』
勇者が顔を赤くするが実際に「そういう行為」なのだ。
『もう!僧侶バカ!バカバカ!』
顔を赤くした勇者が一心不乱に剣を振るい扉を壊そうと試みるが傷が着くことは無い……
体験するのは初めてだかトラップというものは「ダンジョンそのものの意思で生み出されたもの」でありこういった空間系統のトラップに物理的概念が通用することは無い。
これは冒険者の学ぶ基礎知識の1つだが、
今の勇者はそんなこと考えらない様子だ……
『ねぇ勇者、僕とS〇Xをしてほしいんだ』
『僧侶!?なにを言ってるのよ!いつもはそんなキャラじゃないでしょ?そういうのは遊び人が言うことじゃない!!』
『勇者もわかってるでしょ?この部屋はS〇Xをしないと命が尽きるまで出ることが出来ないんだよ……僕はそんなの嫌だ。ここから出て勇者と生きたいだ!』
『で……でもぉ』
勇者の顔はサラマンダーの吐く炎のように赤くなっていく。
それでも……
『勇者、僕達は付き合ってるよね?そろそろそういう行為をしてもいいと思うんだ』
純粋な勇者のために我慢してきたけど僕だって男だ……興味が無い訳でない。
『もし勇者が僕を異性として好きだから付き合ってくれた訳じゃないんだったら今は諦める!だけど異性として僕を少しでも想ってくれているならどうかお願いだ!』
『僧侶……うん。私は僧侶のことが絶対に異性として好き。
私だってこんな所からでて僧侶と生きたいよ!だから……優しくしてね?』
『勇者!』
未だに勇者の顔は赤いけれど、ようやく……想いが通じたんだ。
『それで……どうしたらいいの?』
そうだ、ここからが問題なんだ。
遊び人からの知識を頼りに何とかするしかない!
最初は確か───身体を清めるんだよね。
でも水場なんてある訳ないし……もしかして水の魔法石を使うのかな?
『勇者、鎧と下着を脱いで』
『ふぇ!?』
僕は着ていた装備を全て外すと
『勇者も脱いで。あの、一旦身体を清めるために水の魔法石を使うから』
『あ……うん。そうね』
鎧を脱ぐと
………意外と大きい。
そうして水で身体を清めたのだがびしょ濡れで行為に及ぶわけはないよね。
多分この部屋にあるのは行為に及ぶにあたって使必要な物なんだ。
つまり炎の魔法石で───
そうして僕と勇者は身体を清めてベットの上へと移動する。
『ねぇ僧侶、次はなにをしたらいいの?』
『えっとね……とりあえず身体を触り合うんじゃないかな』
『さっきから言うことがあんまり具体的じゃないね?』
『僕もこういうことするのは初めてだから……』
『そうだよね。じゃあ身体……触るね?』
そう言うと勇者の身体が僕に接近し、やがて肌と肌が触れ合う。
頭と頭でぶつかるんじゃないかと思う距離にまで近づいた勇者が目を閉じて何かを要求してくる。
それに対し、僕と勇者は初めて口付けを交わした。
『───勇者、綺麗だよ。好きだ』
『私も……私も僧侶が好き』
そうした口付けの後に、次に使うと思われる青い液体を手に取るが……使い方が分からない。
『僧侶、その青い……液体?貸して』
『あぁ……うん』
勇者に液体の入った容器を手渡すと……
それを身体に垂らした勇者は妙に妖艶な雰囲気があり僕は本能のままに襲いかかってしまう。
『え、ちょっと僧侶どうしたの?』
『ごめん、勇者ちょと我慢できないかも……』
『え、え、待ってよ僧侶そこはあの……
『ごめんね勇者───』
こうするのが正しいのかは分からないけど本能でこうするべきだと感じる。
『僧侶……いたっ───』
『勇者!?血が……』
勇者から血が出たことで僕はあわててそれを抜こうとするが───
『ううん、大丈夫。僧侶と繋がっていたいから……やめないで?』
『勇者……気持ちよくするから、だからもうちょっと我慢してね』
『うん、僧侶大好きだよ』
さっきから頭が変だ……ずっとふわふわして気持ちよくて。
きっとこれも、この部屋の変な雰囲気のせいに決まっている……
『……あ、勇者扉が開いたみたいだよ?』
『……』
『勇者どうしたの?』
『ねぇ僧侶もっと……ヤろ?』
『え、ちょっと待って勇者……僕もう───』
『最初にさそったのは僧侶だから……悪いのもぜーんぶ僧侶だからね♡』
◇
『結局予定よりもいくつか深くダンジョンに潜ってしまったがここにも二人がいないとはな……』
二人がトラップにより行方不明になったことで戦士、魔法使い、遊び人の3人と女はダンジョンの下層へと訪れていた。
『すみません。私が不注意だったせいで皆さんのお仲間にご迷惑をかけてしまって』
『謝るのであればお主の身代わりとなって二人に直接いうのだな。』
『戦士の言う通りだぜ』
『じゃな』
そんなことを話していると───
『───アッ、───ん 、ぃっく』
『なんの声でしょうか?』
女がそう言うと近くにいた3人が何か察したような顔をする。
『ちょっとこの声が聞こえなくなるまで待った方がいい感じだな!』
『うむ、遊び人に賛成じゃ』
『……』
『勇者、激しすぎだよ腰が……ちょっと流石に限界かも』
『もー僧侶ったら……』
結局あの後ずっと行為を行い続けた僕は体力の限界に陥り休憩させてもらっていた。
……それはそうと1つだけ使わなかったものがあるけど、あれはなんだったんだろう?
『おーい二人とも元気かー?』
この脳天気な声はもしかして───
『遊び人!それに二人と……』
『あの、あの時は助けてくれてありがとうございまし……』
『貴方は……無事だったのね!よかったわ』
あれ?女の人が固まって……っていうか3人ともなんで呆れたような顔をしてるんだろう。
『勇者、それに僧侶よ、服はどうしたのだ』
『あ、あぁぁぁぁあ───』
◇
『まぁ何はともあれ二人が無事で良かったぜ』
あの後、しっかりとした格好に着替え女の人から改めて感謝の言葉を受け取った僕たちは宿屋への帰路へと付いていた。
『それにしても勇者と僧侶よ、お主ら距離が近くなってはおらぬか?』
『まぁ……色々あったから』
『色々ね♡』
そういえば1つだけ使わなかった
『ねぇ、遊び人。この白いヤツが何かわかる?』
僕はひそかに1つだけ持って帰っていた物を遊び人に見せる。
『そりゃ避妊具だけど……もしかして僧侶使わなかったのか!?おま、まじかよ!』
『え、うそあれが避妊具!?』
『僧侶お主……やってしまったな』
『もうお前は僧侶じゃなくてこりゃ賢者だな』
『ねぇ、勇者───』
『僧侶よ男としての責務を果たすのだ』
『僧侶、子供できたらちゃんと責任取ってよね♡』
ははは……部屋に入った頃の純粋な勇者はどこに行ってしまったんだろうか───
俺の買った高級媚薬が消えた件 ゆずリンゴ @katuhimemisawa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます