〝はたらかないためのはたらきをしたくない〟
とんでもない怠惰なセリフを言い放つ。そんなヒロイン、シアラン。
このタイプのヒロインが、どう溺愛されていくのか。
楽しく追っていました。
怠惰といえばそうですが、王子様たちそれぞれとの受け答えがいいんですよね。
怠惰だし、懐が広いとも。慈愛とも。不思議な魅力があります。
簡単そうで、するりとかわしていく。
これが天然魔性…!!
私は基本的には一対一の男女の恋愛ものが好きなのですが、シアランと王子様たちの関係はそれぞれしっくりくるんです。
毎話、この人が一番のヒーローかもと思ってしまってびっくりしました。
それぞれの関係性が素晴らしい。
やっぱり天然魔性…!!
と、恋愛方面のこじらせもときめきますが、物語自体もとてもしっかりしています。
二転三転するストーリー。きっちり回収される伏線。
これが中編!?の満足感です。
とても面白かったです!おすすめです!
『溺愛もの』として斬新すぎる切り口で、最初から最後まで非常に楽しく拝読いたしました。
何せ、ヒロインが怠惰すぎて何もしたくないあまり、ラクして生きられる人生をランプの魔人にお願いし、その結果として逆ハーレムができちゃうわけですから。
そこまでの力技ギャグみたいな展開からもう面白い。
王となったヒロイン・シアランに対し、個性も事情も様々な四人の王子たちは、それぞれの方法で愛を囁くのですが。
そういうのすら面倒くさいというシアランのブレなさが、もはや痛快です。
しかし本作はただのラブコメに留まりません。
シアランの心を一向に掴めない王子たちのやきもきは、次第に王家のゴタゴタにも繋がっていきます。
渦巻く陰謀。水面下にある対抗心。ランプを手にすれば王権を手中にできるという事実。
自分の魂にすら頓着しないシアランを巡って、物語は急展開していきます。
終盤の伏線回収はお見事のひとこと。この中編のサイズで驚きの満足感です。
本当に面白かったです! 一風変わった溺愛ものをお求めの方に、ぜひお勧めします!