「良い言葉」しか存在しない国?!

 20~30年前位のSF短編って、こんな感じだったような気がします。
 架空の科学技術、文化、あるいは難病などをテーマにしてドラマを語るという体で、その本質は現実に起こっていること、普段我々が目にしている事物への皮肉、アンチテーゼ、もしくは人の内面を深く表現してみせるような短編小説。ハインラインの「もしこれが続くなら」や、SFではないし、漫画ではありますが、萩尾望都氏の半神(なんとわずか16P!)などが好例でしょうか。

 本作は、そんな短編作品を思い起こさせるような良質な物語、是非ご一読をお勧めします!