青い春。季節は秋。街明かりが暗がりを照らす。

中高で6回しかない行事、文化祭。今年は三回目だ。文化祭の準備をする段階で私は決意を固めた。女装をしよう。幸か不幸か演劇をすることになった。女子役をやれば合法的に女装出来る。さらに男女比2:1の学校なのに主要キャラの男女比が5:2だったことが追い風となり、晴れて女子役になった。

ただ、勢いだけでいったので問題が残った。親に女装を見せなければならない。あれこれ考えてはみたが結局見せないことは出来なかった。なので何も考えないことにした。演劇は無事成功で終われたのでよかった。

文化祭当日は演劇以外は部活の出し物に参加したり、ほか部門に参加した。最終日の帰り、仲の良い友達数人と一緒に打ち上げにいった。店に行くまでの空は日が傾いていて、黒から青、橙にピンクなど、きれいに空を彩っていた。「空色」という言葉と色があるが「肌色」と同じでかなりの種類があるのだと気づいた。学校近くの店を選んだので、先生に見つかるのではと考えていたが、杞憂に終わった。そのかわり先輩たちと会った。店からの帰りは皆で軽く歌いながら帰った。街の光がまばゆくてその時は考えもしなかったが、修学旅行を除くと親類がいない所で晩御飯を食べるのはこれが初めてだ。このまま二次会と洒落込みたい所だが、夜がそれを許さない。

この一週間、文化祭練習で帰宅が遅くなっていたので、今日は気持ちよく夢を見られそうだ。だが、一つだけ心残りがある。この文化祭で女装、または男装をしたのが私ただ一人だったことだ。だから俺は半ば強制的にでも別の奴に衣装を着せなければならない。なのでそれが達成されるまで文化祭は終われない。あと3回の文化祭も全力で挑戦してやろうと決めた。次はテストと体育祭が待っている。文化祭のすぐ後にテストがあるのは完全に何か間違えてると思うが、とりあえずは打ち上げしたことがばれたら反省文なのでバレてないと信じよう。


徒然なるままに。

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つれづれなるままに tokinashi @tokinasifuratto23

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