つれづれなるままに
tokinashi
一話目の「目」。語源はなんだろう。
夏休み、雲は空を四割ほど残し、蝉や蚊は干からびるほどの酷暑。今日は文化祭の練習で学校に行かなければならない。演劇の練習だ。自分自身人前で何かをすることは苦手ではないし、積極的に参加していく気持ちだった。学校に行くため、バスに乗り、駅を目指す。ターミナルとなる駅につくと、ちょうどホームに着いた瞬間に電車は扉を閉じた。その時、ふとこう思った。
「サボろうかな。」
時間はまだ余裕があって、特に理由があった訳ではない。夏の暑さがそうさせたのか、三日前に髪を切りに行ってあまりよくならなかったからなのか、本当は文化祭なんてどうでもよかったのか。
とにかく、俺は駅を出て、その駅の周りに出掛けた。まだ朝十時前で多くの店は開いていない。だが今帰ったら怪しまれる。親は今日登校日ということしか知らない。だがさすがに今戻るのは早い。スマホの充電は30%を切り、バッテリーセーバーをつける。練習は十時からで、今短針は真下を向いている。どうせ今行っても遅刻。行かなくても成績には入らない。私の役はもう一人いて、私はいなくてもなんとかなる。三十分の集会だったと言うことにして帰ろう。
帰りのバスは空いていて、二人組のおばさま達の声とバスのエンジンだけが響く。大体二十日ぶりくらいにこの制服に身を包む。夏休みということもあって制服姿の人は他にいない。心なしかこのそれなりに大きい街で私だけ別の空間にいるみたいだ。新学期まであと一週間ほど。私のことだからきっと何事もなかったかのように新学期を迎える。
バスはまだターミナル駅の近い所にいて、信号が青になるのをまっている。信号機の『青』不思議だ。皆当たり前のように使っているがどう見ても緑だ。昔は青かったのだろうか。青は行ってよし、黄は気をつけろ、赤は止まれ。黄色は警告色なので意味が似合う。他は見当がつかない。特に学生としては赤い丸は嬉しい。世界を探せば別の色の信号機があるのだろうか。
やばい。同じ役の人から連絡が来た。どうやらもう終わったようで次また三日後にある事を伝えてくれた。どうやら不真面目共はきていないようで、そもそも集合時間が一時間ずれていたようだ。次くるように釘を刺され、私は家に着いた。
徒然なるままに。
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