第15話
「ふぁ〜!眠い、、、」
大きな欠伸をしながら、寝間着から外出着に着替え、食堂に向かうが、やっぱり眠い。
「おはよ〜、眠そうだね。昨日の折檻がそんなにこたえた〜?」
隣を歩く悠陽の発言に頷く。今日は大雨なので外に行けない。
昨日、昼間に海斗くんの件を皐月先生に琥珀が話してくれた。皐月先生は「それは仕方ないね」というように注意喚起だけで終わったが、たまたま聞いていた悠先生にその後、三人で呼び出された。
「ご飯抜きにはならなくて良かったね〜」
「それは悠陽だけで良い」
「えぇ、、、」
食堂に着き、角膳に乗られた朝ご飯を机に座って食べる。
「ご飯美味し〜!」
「八千代ちゃん、おはよう!」
「おっはよ〜!」
「ほはよ〜」
仲直りをした楓と涼花が入って来たので元気に挨拶。
「食べながら喋らない」
もう食べ終わって、返却台に戻していた悠陽が戻ってくる。
「八千代!悠陽!今日、オレ達の部屋に秘密基地作るんだ〜!」
「良いでしょ!」
笑顔で言う下級生を見ていたら、ふと思い出した。「そういや誠一は帰ってきたのに
「純は今日帰ってくるって〜」
「誠一くんから聞いたの」
純、何やらかしたの?
「久々の里!」
大雨の中、濡れた黄色の髪を布で絞る純がいた。
「、、、えっ、誰?」
目の前にいるのは黄色の着物をきちんと着た純の姿。
着崩してない、、、だと!?
「やだな〜、八千代。忘れちゃったの〜?純だよ、すーみ」
「いやいやいや、何時も着崩している純は何処行ったの!?ギャル卒業!?」
驚いて大声を出してしまったから上級生と下級生もみんな来た。
そして騒ぐ。
「純!どうしたの?」
あまりの変わり様に驚く者。
「やっと真人間になったか」
真人間になったと涙を流す者。
「寝間着じゃないよね」
外出着ではなく寝間着を疑う者。
「熱でもある?薬の調合してもらうように頼んで来ようか?」
体調不良を疑う者。
まぁ、みんな驚いている。
「いや〜これには訳があって、、、」
曰く、数日前、何時もの外出着で外にいた時、警察に補導されてしまったらしい。
「純、、、」
「てことで!里帰りしたから何時もの服になるから安心してね!」
「う〜ん、、、」
そう言うと部屋に入って行った。数分後、何時もの服になっていた。
黄色の着崩した着物に黒色のスカート。きつく巻いたサラシ。緑色の
「、、、何時も通りの純だ〜!」
「見慣れた姿」
「うん。素直に喜んで良いのか分からないや」
そう言いつつ純の頬はほんのり赤くなっている。
(照れてるんだな〜)
明日の夜、宴をすると先生達から連絡が入り、みんなで喜んだ。
忍び偲べ 相川美葉 @kitahina1208
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。忍び偲べの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます