2010.5.21.15:47 Lv0 the lobby

凪は立ち上がり、リュックを背負い直した。凪の心では恐怖と勇気が拮抗していた。


周囲を見回しても似たような空間。

ここから俺の冒険は始まるのか、と凪は無理やり思い返させられた。


「とりあえず…移動しない限りは脱出も救出もできないわな」


凪は孤独だった。どうやら外れ落ちた時に全員が離れ離れになってしまったらしい。

広がる静寂の中で、彼の心は不安と焦りでいっぱいだった。


「透…俺どうすりゃいいんだっけ…なんか言ってたけど思い出せねえよ…」


凪は一人で動いていた。薄暗いバックルームの中、時々ノイズを発する蛍光灯の下をひたすら歩いていた。


彼の足音だけが、この空間の静寂を破る唯一の音だった。


凪は周囲を注意深く観察しながら進んでいた。時折、遠くから聞こえる不気味な音に耳を澄ませ、何かが近づいてくるのではないかと警戒しながら歩いていた。


歩きながら凪は心の中で仲間の無事を祈った。

──────透は、先に迷い込んだふたりは、一体無事だろうか。

凪の頭はそれひとつを考えていた。


凪の心で今までの友情が走馬灯のように流れる。


何時間も歩いたが、進展はない。同じ景色が広がり、メンタルと足が限界に近づいていた。


「くそ、どこまで続くんだよ、ここは…」と呟きながら、凪は歩き続けた。


「透、葉月、玲花…みんな無事でいてくれよ…」


──────心の中で仲間の無事を祈りながら、凪は歩き続けた…






あなたが注意を怠って、現場で現実から外れると、古くて湿ったカーペットの匂いと、単調な黄色の狂気と、最大にハム音を発する蛍光灯による永遠に続く背景雑音と、約十五兆m 2を超えて広がるランダムに区分けされた空っぽな部屋部屋に閉じ込められるだけの、「The Backrooms」へ行き着くことになるのです。


近くで何かがうろうろしているのが聞こえたら、それはきっとあなたが出す音に気づいていることでしょう。


By Backrooms Fandomより






もし、貴方が誤って世界から外れ落ちてしまえば、湿気を帯びた異臭を放つカーペット、狂気じみたモノイエローの壁紙、そしてハム音のけたたましく鳴り響く、果てしなくどこまでも続く空虚な空間 "バックルーム" に迷い込んでしまうことになる。付近でなにかの気配を感じたならば、それは確実に貴方の声を聞いているだろう。不条理と不合理に呑まれた貴方に、あらん限りの救いを。


By Backrooms wikidotより


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End In The Backrooms World ちょこみんと @poteymo1024

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