第6話 学園の寮生活
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僕はボストンバックを担ぎ、さらにリュックサックを背負う。ルナは僕のスマホを持ってリュックの中に埋もれている。父さんが駅まで送ろうかと提案してくれたけど、燈爾君が一緒に行こうと言ってくれたのでそっちを優先した。すごく申し訳なかった。無事にキャリーケースとボストンバックの重荷でやって来た燈爾君と合流し、僕たちは学園ではなく自分達が過ごす棟に案内された。洋風デザインで質素だけど、ブウ班対策もしっかりしているって話だし。安心できる良い寮かも…。
玄関の前で先生が立っている。僕ら以外にまだ全員集合はしていないようで、小神さんも見当たらなかった。実家が広島で新幹線で来るって話を前に聞いていたので、もうそろそろ来るのかもしれない。
「いよっし、先生おはよー」
「(荷物やば…!)」
ガシャンと大きな音ともに現れたのは、クラスメイトの
「河野さん、すごい荷物だね…」
「あはは。手放したくないもの考えてたらこんなに多くってねー。いやー困ったんね!」
「河野。騒音は迷惑になるからな、やりたきゃ地下室使うことだな
「あいーっす!」
地下室なんてあるんだ。ここは説明聞いてなかったけど、何か防音が効いた部屋が地下にはあるみたいだ。多分工業科が工学の為の部屋を要望して、それを他の学科にも利点があるから全部とかにつけたのかな…?あと、河野さんすごい気楽な人だ。先生にもノリで話してるし。
「お待たせしました」
「お、雪ちゃん!大荷物だねー」
「…」
馬車かな?大型トラックを引き連れて、クラスメイトの
「
「設営?」
「あっはは!やっぱ雪ちゃん考える規模がでかあい!」
自分の部屋にそこまでの設営材料を用意してるの?ワンルーム用意されてるとは聞いてるけども、絶対デカいベットとか入ってるんだろうなあ。僕は別日に荷物が届くし…初回でもう用意するのは逆に驚かなくてすむかも…。
紺色の髪に右側に翡翠色の丸付きのゴムで小さなポニーテールに、大きな赤色の目。それがクラスで一番小さい河野さん。隣でお上品に笑っている多白さんは、真っ白の髪に毛先は全てぱっつんで、黒色で水色のクリスタルがついたカチューシャをしている。それに切れ長の水色の目は、笑いで細めている。
「女子ってあんなに物用意するんだな…」
「いや、単純にあの人たちが規格外なだけだよ」
「はー!やっと着いたー!」
「小神さん!」
「お、雷子ちゃんおはよー」
次には小神さんがやって来た。僕たちと同じで大きめのキャリーケースにボストンバックで来ている。ああよかった。流石に小神さんは普通の荷物だった。それに小神さんも引っ越しトラックに目を飛び出して驚いている。さらに河野さんの荷物にも驚いてツッコミを入れている。庶民の感覚は一緒だった。
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その後、クラスの皆が揃い寮に案内され説明を受ける。1階は共有スペースでソファやテレビにキッチンもある。そして地下室。各部屋に防音はしっかりと施されているけど、こっちは最強防音を使っているらしい。それに一階と同じ位広い。何もないコンクリの壁で無機質な部屋だけど、おそらく河野さんが占有すると思う。うん。
そして二階から、防犯の観点から男子寮と女子寮は同じ階でも別。右が男子12人に左に女子6人。男子は5階を3人ずつ。女子は4階までで一部屋空けて2人ずつ。僕と同じ3階の人は…
そして今は説明を終えて荷解きの時間。多白さんの荷物を運んできたのは、召使いの方だったらしく、一緒に荷物を自分の部屋に運んでいた。
「えっと、この荷物はこっちで…」
『冷蔵庫、エアコンはしっかり完備されてる。トイレは全ての階の廊下に男女棟別れて2つずつ。クローゼットもついてるからな。贅沢だろ、私立だからな』
「って先生言ってたし…本当に揃ってるんだなあ。今日からここに住むんだ…」
あって嬉しいものもしっかり完備されてるし、夜の廊下は基本的にダウンライト照明がちょっと暗くついてるし、よし!怖くない!(※悟川心冶は心の中は感情豊かだし、能力の影響で感受性豊か、つまりホラーが苦手なのだ)
コンコンと扉をノックされる。誰かが来たのかな。燈爾君かな。僕は今行きまーすと声をかけて扉に向かう。開けてみると、同じ階の右隣にいる傘木君だった。
「えっと、傘木君だっけ。これからよろしくね」
「おう。よろしくな、えっと…」
憶えられてないよねー…だって、入学からあの3日間影薄かったもん。燈爾君はすぐに友達できてたし、小神さんもそうだった。ここで自分のコミュニケーション能力の無さに失望しちゃう…。
「悟川心冶です。苗字は呼びにくいと思うし、好きに呼んでいいよ」
「じゃあ、心冶でいいかな?俺敬称とか何か付けるの苦手だし…」
「うん、いいよ。傘木君」
傘木君。僕よりちょっと身長が低くくて、藤色の目に紫紺が混ざった黒髪をしてて髪を小さく下に三つ編みで一本結んでいる。何か中華系のキャラにありそうな髪型をしてる。ド偏見だけど。
「おや、お2人様で何か御話でも?」
「あ、白星君。隣だから挨拶してたんだ…」
「そうですか。では、私も。白星カミルです。どうぞ、よろしくお願いします」
「傘木唐博。よろしくな」
「悟川心冶です。よろしくね……」
僕たちは気まずい雰囲気をまとわせながら挨拶を終え、僕は部屋に戻って扉を閉める。正直、僕は息を止めていた。比喩とかじゃなくてマジで。傘木君と話した時は大丈夫だった。でも、あの白星君と話をした時、僕の能力で心が読めるというか見えた。誰よりもどす黒い感情が彼の心を渦巻いていたんだ。クラスメイトの人全員を見たわけじゃないけど、でもあんなに下地は綺麗なのに黒色をまとっていたのは初めて見た…。
何かあったのかな。元が紳士的そうな人なのに…。過去が暗いのかな…それとも、呪・い・…。いや、人のことに干渉しすぎるのはダメだ。僕は覚の能力者、人との距離感は一番考えないと…。
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「お嬢様、お元気ですか。荷解きは計画的にしなければ、またゴミ屋敷になりますよ」
「私のほうですか?万事順調でございます。それに…っ」
「大丈夫です。こんなもの、いずれ消滅します」
前をかきあげ、瑠璃色の丁寧に上に団子にしてまとめた髪を乱し、彼は壁に体を打ち付ける。電話越しの相手は哀しみの声を上げて心配の言葉をかけ続ける。それでも、彼の
化物学園ナンバー1 庭渡栖鈴 @NWTs0s0z0
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