第14話 冒険者登録(ワント視点)
ワントは、2人と別れてから冒険者になるために必要である冒険者登録をするため、ギルドに向かっていた。
「主たちに目立つなって言ったからには俺が目立つ訳にはいかないよな」
極力目立つ行動は控えようと決意して、ファスティアの街で一番大きい建物である冒険者ギルドに入ることにした。
ギルドに入ると冒険者たちでいっぱいであり、人族だけでなくエルフ、ドワーフ、獣人、の亜人族なども数多くおり、その中でも特に希少な龍人や巨人族、小人族もいた。
酒を飲んでいる人、依頼の達成の報告をしている人、パーティの勧誘をしている人など、ガヤガヤと盛り上がっていて、ワントはマジで冒険者の街って感じだなとごく普通の感想を抱いたのだが、冒険者たちがワントを見た瞬間
皆が一斉に武器に手をかけ、ワントを射抜くような視線を向けてきたのだ。
やっぱり見られてるか。マントを被ってるのも不味かったのか?まだ魔物だってバレたわけでは無さそうだけど、進化してから雰囲気を隠すのまだ慣れてないのが問題だろう。
俺の進化してからの雰囲気が、主からは物凄く強くなってるって言われてたが、まさかここまでとはちょっと予想外だ。主はこうなる事分かってるような感じだったのムカつくが、別れる最後の言葉的に予想できたんだろうな。
これからどうするか?困ったのが、全員殺すような視線を向けてきていることだ。まぁ、冒険者登録しないことには何も始まらないしとりあえず受付行くか。
「冒険者登録をしたいのだが、ここでしたらいいのか?」
「はい。こちらで冒険者の登録が可能です。初めてご登録される方ですか?」
「ああ、そうだ。初めてこの街に来て、冒険者の事についてまだ何も知らん。できれば説明してもらいたいのだがいいだろうか?」
「かしこまりました。それでは説明させていただきます。
こちらの紙に記入していただく事で、冒険者登録が可能です。
紙にも書いてある通り、名前は必須としてその他の項目である、ジョブ、使用可能な魔法、希望するポジション、ポジションとは前衛・中衛・後衛の3つのことを指します。
その他の項目は、書いても書かなくてもどちらでも構いません。
冒険者にとって情報は命と同じくらい重要なものですからね。ただ、書いていただければギルドの方で、パーティの紹介がしやすくなったり、その人に合った依頼を斡旋しやすくなります。勿論書いていただいた情報は、ギルドの方で厳重に管理し、秘密は守ります。
最後に、冒険者のランクについてはG〜S級までを基本のランクとし、国や冒険者ギルド本部に認められた方については、特例としてSSランクまで昇格することができます。
昇格するには、依頼をこなしていけばCランクまでは、試験無しで昇格できます。Bランク以降については、原則として、ギルドからの昇格試験を受けていだたくことになっています。
以上が説明になります。これでよろしいでしょうか?」
「ああ、分かりやすかった。正式に冒険者登録がしたい。記入する紙をくれないか?」
紙をもらったはいいが、ジョブに関しては全く分からんな。おそらく魔物以外の人族・亜人族が持っているものだろう。ジョブについて聞くと面倒くさいことになる気がする。こういう直感は意外と当たるから馬鹿にできないんだよな。
ジョブに関しては空欄で、魔法はそもそも俺は使えないから論外として、名前はワントって書けないしな。名前は適当でアルファでいいか。希望するポジションは前衛にしよう。
俺が中衛・後衛選んだら、主からイジられる未来しか見えん。主は、面白いネタ見つけたらとことんイジってくるからな。逆にセツーナは純粋に俺のことを心配してくれるから可愛いんだよな!
おっとダメだダメだ。もう既にセツーナと別れたことでセツーナに会いたくなってる俺がいる。
寂しく感じるのと同じくらい、別れるって言ってしまった俺自身にイライラしてきた!こうなるんだったら、問題は起きるが、3人で来た方が良かったかもしれん。
イライラを発散する為に登録したらダンジョンに行かせてもらおう。
方針も決まったし、ここは早く登録を済ませるか。
「これで問題ないか?」
「はい。問題ありません。これで冒険者登録が完了となります。こちらがアルファさんの冒険者カードとなります。これから頑張ってくださいね」
登録できたしダンジョンに行こう。かなりイライラしてきやがった。ダンジョンには悪いが、俺のイライラの発散に付き合ってもらうぞ。
ダンジョンに行く為に冒険者ギルドから出ようとしたワントだったが
「おい、ちょっと待て!そんな格好で何様のつもりだ?俺らがルールを教えてやるよ!フードの兄ちゃん!俺らと一発遊ぼうぜ」
「おい、さっきなんと言った?兄ちゃんと呼んでいいのはアイツだけだ。貴様ら、殺すぞ」
血王の誕生 異世界転生したので、自分の理想とした悪役を目指すことにした! @acemaru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。血王の誕生 異世界転生したので、自分の理想とした悪役を目指すことにした!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます