夢日記
くき
2024/08/12
目を開けるとそこは砂浜の上だった。海辺特有の重い空気が体を包んでいた。あたりは暗くかなり近づかなければ何も見えないほどだった。
隣には同じような状況のお姉さんがいた。ファーコートを着ていて、蒸し暑くないかと問えば全然平気と返ってきた。
このまま夜を明かすにも長すぎるし、腹も空く。とのことで二人で食料を探していた。とはいえ夜の砂浜である。魚があるとは思えない。そこら中を歩いて貝を探していた。
砂を掘ったりして、貝はいくらか見つけることができた。とはいえ自分が普段見ているような貝ではない。どちらかといえば平たい石である。どこからどう見ても貝ではないが、お姉さん曰く貝らしい。じゃあ貝だと納得していた。
二人で手分けして探したわけだから、短時間でそこそこ見つかった。早速食べようとしたがどう考えても貝ではないのだから食べ方がわからない。そのまま口に含むのだと言って、お姉さんはそのまま噛み砕いてみせた。では自分もと試して口に入れた。
ひどい味だった。海水に浸された砂を凝縮したような味だった。潮臭いというかなんというか、とにかくひどい味だった。あまりのひどさに吐き出した。その様子を見たお姉さんはあまりいい顔はしなかった。
「そっか、君はダメだったんだね」
とちょっと残念そうな顔をした。
夢はそこでさめた。
今でも思い出すとあの味が口の中で再現でき、吐きそうになる。果たしてあのお姉さんは誰だったのか、あの貝のようなものはなんだったのか、まだわからない。
夢日記 くき @kuki_kiku
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