悩み…?

スマホを開くと母から「どこにいるの?」とメッセージが来ていた。

「カラオケにいるよ。先輩につれていかれた。」

すぐに返信する事ができたため、一瞬で既読が付いた。

「はいねー」

「何時に帰ってくるの?」 続けて文字が浮かび上がる。

「延長するかもだからまだわかんないなぁ・・・ 先輩次第かな」

「わかったよ、帰るときは気を付けるんだよ。」

それきり母からのメッセージは来なかった。

母からのメッセージで現実に連れもどされた感覚があった。

ふと、この後のことを考える。カラオケを出た後のことを。

私はカラオケを出た後彼女と別れ、私はまたこの苦しい世界で生きていかねばならない。

「どうした?なんかあった?」

スマホを眺めて考え込んでいる私を覗き込んで声をかけてきた。

…最後に彼女に愚痴を言ってみてもいいのではないだろうか。

どうせもう会うこともない。

だいたい、私をここまで連れてきたのは彼女だ。

「・・・うーん、ちょっとね」

私が口を開くと、彼女はうんうんと相槌を打った。

「家の中のことでさ。 こう・・・あんまりうまく立ち回れない自分が情けないっていうか」

彼女の頬が引き攣るのがわかる。

やっぱり言わなければよかっただろうか。

「なんかさ、こういうことを話すと気まずくなるかなと思って」

「あんまり人に言えてなかったんだよね」

「はは」

うまく愛想笑いができているか不安だった。

??????どうしたらいいかわからん。

「そうだったんだ。辛かったね」

「え、」

そう言いながらゆなは私のことを抱きしめた。

「…。」

「話してくれてありがとう。」

こんなこと誰かに話したのは初めてだ。

もっとも、こんな反応をされるなんて思っていなかったが。

初めて話したのがゆなで良かったなんて一瞬思った。

「どんなことがあったの?」

「それは、、話すと長くなるんだけど__」

そうこう話しているうちに時計の針が8を過ぎているのが見えた。

「もう帰らなきゃ。」

そういうとゆうながはっとする。

「うわ!ほんとだ!じゃあ帰ろっか」

彼女と部屋を出て、会計を済ませ、自転車にまたがり家路に着く。

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ヒーロー 翠鳳 葵 @Suiho_Aoi

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