主人と従者のその後




「ユキ」

「どうかした? ハル」


 あのあと、一緒に逃げた二人は山奥で暮らしている。何回か追手に捕まりかけたが、二人で撃退して今に至る。

 あれから数年後。二人は結婚した。

 そして―――


「アキとウミ知らない?」

「またかくれんぼでしょ。頑張って探してあげなさい、お父さん」


 アキとウミという二人の子供が生まれた。

 ウミは気が弱く、いつも兄のアキに連れられて遊んでいる。アキは可愛い妹にたくさんのことを教えてあげたいらしく、はりきっている。

「どこ行ったんだ〜?」とハルがどこかへ探しに行った。すると―――


「ねえおかあさん、おかあさん。おとうさん、行った?」

「行ったわよ」

「ふふっ、みつかんなかった」

「よかったわね、ウミ。アキはどうしたの?」

「んー、たぶんいまごろ……」


 すると、上からハルの叫ぶ声が聞こえた。どうやらアキがおどかしたらしい。微笑ましい光景である。


「ああもう、なんなんだよ……」

「どっちも見つけられずおどかせれた、だなんて可哀想なお父さんね」

「ほんとだよ」

「でも、面白いわね」

「……そうだね」


 二人は幸せな日常を築いていた。




◆◆◆

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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ショタ主人と男装従者が男子校に通うお話。 詩月結蒼 @shidukiyua

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