第2話

月よ高らかに、ひじまひしめく愚かなる風の宮居にこの映像を見た。ヨーク家は滅び、また、新たな世界が分岐して、剣を抜き上げ女祭司に見せる。

「なが夢知らず、限りなき夢にお前は私の血を求めるか」

一瞬、時が止まり、全ての時間が動く空間が移転する様子を魔法の言葉によって翼ある者を呼び出す。

「影行きて あまたの光 あやしかり 時の終わりに 首を頂戴するや」

果てなき すぐる風 お前の御世は わが望みにして 終わりを願う


せまりゆき瞬間の剣は騎士の首を飛ばし、血のほとばしりを傍観し滝を眺めるようにヨークの世を浄化する。


翼ある者は血に汚れ、翼を腐らして大地の存在となりゆき、果ての果てまで嘆き壁に壊れる。

   



      ◯

     王族 


輝ける血潮を見てお前の御世を滅ぼしたか

影に消える

影に消えよ

魔法祭司の言葉を封じることはできなく

お前の好きにするがよい

どこまでも消えゆくこともない

存在の空疎に

我らの世界の光の中に

命は無いにしても

その小さな光を生命の可能性を見出して

命あるものが生命の粒を入れ込む

光と愛をもたらす天空の王は

どこまでも我らを生かし

余の王権を守らせたまえ




    ◯

   女祭司 


翼ある者よ


天空の人


血を与えたまえ


全ての生命の可能性の原質


私たちにもたらしくだされ


愚かな心に知恵もあり


時の中に生命を


果てなき夢に原質を


終わりなき詩に命は巡り


おお、聖杯になが命を注ぎたまえ




王族ー

女祭司ー


さあ、きたまえり

天空の者よ

その翼なき今

邪な存在に光をもたらし

光を内に輝かしめよ



天空の存在はダイモーンを呼び、叫ぶ。そうして王家の生き残りを食べて栄養とした。女祭司は彼を抱きしめ


この天空の者を我が手に、

光は石に吸い込まれ女祭司もまた封印された。


ヨーク王家はこうして消えた。女祭司の名もまたどこまに時の過ぎゆく間に消えていった。



海の向こうにリバイアサンが現れて

この地上を荒らしていた。

彼らはよくわかっていない怪物であった。

こいつは、社会にも現れあらゆるものに感染していきゾンビをもたらしている。


今は、聖なる王族もいない

女祭司もいない


この災害は小さな所から始まり小規模の出来事であったが、太陽が黒毛を帯びた。その世界に生きる人もまたあり、闇の期間が3日間あったが、生きていることには変わりない。




そこは腐海の土地となった。



あめつちみよかし ありしひの 言葉は夢に どこまでも あたらしかみのよみ人の影



ありし夢


時の影に


愚かな可能性に真実あり





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アタシウス戦記 本多裕樹 @honda8

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ