異世界から持ち帰ってきた親友をオタク沼に落とそうと思う
ニキ
1-1.op前:アニメって大体オープニング前の一分間に掴みとして『これはほんの少しだけ少しだけ未来の話』しがち
──俗に言う異世界転生系の作品は、最後には元いた世界に戻って完結する話が多い。
神様になって分身し地球と異世界の暮らしを同時に取る作品もあれば、行き来出来るようにして違いを尊ぶ作品も存在する。そして大抵の場合、現地で仲良くなった友達を日本へ超ド級の不法入国させたりしてるのだが……それらは全部ダイジェストで纏められるだけで、その先の物語がきちんと描かれる作品は非常に稀だった。
万人に伝わるよう分かりやすく例えるなら、これはラブコメないしギャルゲーの最終話(章)みたいなものだ。
本当の人生なら付き合ってからの方が長くても、恋愛物のゴールは告白して付き合うまで。その先の結婚から出産、子供への世代交代をダイジェストで流されるのは、そこが物語を畳もうと思った時に一番綺麗な区切り所だからだろう。
じゃあ、そんなダイジェストで送られる異世界から地球に帰還した人間って、はしょらなければどんな人生を送ることになるのだろうか?
五月某日、日本人離れした銀髪碧眼の美少女が目をキラキラさせながらテレビの前に座っている。
液晶の縁にはこちらを向く小型カメラが、少女の手元にはマイクが備え付けられていて、魔法で戦うでも荒稼ぎするでも無い異世界から帰還した俺は……
「アランアラン! 今日はどんなアニメ観るの!?」
「CLANNADの耐久」
お持ち帰りした相棒のアニメ初見反応動画を顔出しでYouTubeに投稿していた。
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用語解説:CLANNAD
初めて作者が泣いたアニメ。人生。
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