アラタナセカイノマクアケ

西暦2024年6月中旬、底辺校として知られる盆蔵工科高校。


 突如として世界を揺るがす出来事が起こった。


 俺こと赤陰あかかげ、そして猿田さるた、五木ごき、百足むかでの4人が校庭にいたとき、半透明のデジタルモニターが目の前に現れた。


「どうもー!!!新しい神様でーす♩いきなりだけど世界全体のシステム、ルールを変更するよ!」


 20代ぐらいの男性が軽快な口調で話し始めた。


「えーっと、まずは地球と異世界を球体で半分半分にしちゃいます!そして、能力者システムを導入!各国の人口の5%にランダムでスキルを付与しまーす!」


 現実世界が歪み始め、空が二つに割れ、見たことない動物がモニターで覗き見える。


「(また腐ったな世界か、それとも高みを目指せる世界か…見定める時間は必要かもな。)」
 突然、俺の体が光に包まれる。同時に、猿田も光る。


「おっと、君たち二人はラッキーだね!能力者に選ばれたみたいだよ!」


「何が起きてるんだ!?」


 猿田が叫ぶ。


「簡単に説明すると、君たちはハイヒューマンになったんだ。身体能力が向上して、スキルを1つ持つことになるよ。世界で数人しか持たないユニークスキルというのもあるんだけどね」


 神様はまるで、ゲームの説明をするかのように話し続けた。


 俺は髪の隙間から、狂気の目で周囲を見渡す。

神様を睨んだが笑顔で対応された。

その瞬間、頭では恐怖している認識はないが体は正直で膝から崩れてしまった。


「自分の心臓を意識しながら「ステータス」って念じてみてみなよ?」


「できた!!俺のは…『瞬間移動』!?すげえ!」


 猿田は興奮して叫んだ。


まるで新しいオモチャで俺をどうするか考えるように、下衆な目で見てきた。


五木と百足は光に包まれることなく、ただ呆然として俺と猿田を羨ましそうに眺めている。



 神様は能力の説明や交配システムなどについて語り続ける。


「そうそう、スキルは努力で増やせないけど、使いこなせば範囲が広がるよ。あ、それと世界には人族以外の種族もいるからね!」


神様は少し間を置いて、さらに説明を続けた。


「それから、大事な情報をもう一つ。ハイヒューマンの子孫のことだけど、基本的にハイヒューマン同士でないと能力を持つ子供は生まれないよ。それでも生まれる確率は約10%程度かな。ただし、世界でも稀なユニークスキル持ちの親からは、必ずどちらかのスキルが遺伝するんだ」


「(へぇ…血筋か。この力で、もっと奴らを苦しめられるってわけだ)」

 赤陰は内心でそう思いながら、静かに立ち上がった。


「へえ、俺たちの子供も能力者になれるってことか」


 猿田は興味津々で聞き返した。


「くそっ、なんで俺たちには能力がないんだ」
 五木は悔しそうに呟いた。


「こんな不公平な…」


 百足も同じように不満を漏らした。


俺は静かに立ち上がる。三日月の笑みを浮かべながら、周囲を見つめる。


「さてさて、皆さん。さっきは殴ってくれてありがとう、新しいゲームの始まりだな。楽しみだなぁ…」
 

 俺の声には、かすかな狂気が混じっていた。


「それじゃあ、新世界を楽しんでね!」


 神様は最後にそう言い残し、モニターが消えた。
 世界は大きく変貌を遂げていく。


「(ようやくだ。この退屈な世界に、俺色の狂気を染め上げる時が来た。復讐?いや、もはやそんな次元じゃない。全てを破壊し、再構築する…そう、俺だけの世界をな)」


猿田は自分の新たな力に有頂天になり、五木と百足は羨望と憎悪の眼差しを隠せない。

俺を取り巻く状況は、誰も予想できない方向へと変化し始めていた。


「あっ!!!そういえばまだ大事なこと説明するの忘れてた!!国同士で殺し合ってもらうからその説明するね!」

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