世界システムが変更されました〜圧倒的力で理不尽なやつらを地獄に落とす〜
五味
アラタナセカイ
西暦2024年6月中旬。
平和ボケした日本である。戦争など経験をしたことがない人が多数で、強者に挑む勇気を無くし、弱いものをいじめることで自分という立場を誇示する存在が増えた、つまらない国。
場面が変わり、ここは盆蔵工科という公立工業高校。中学の成績がオール2に1が1個2個では入れる底辺高校。工業高校なので女子が1学年に5人しかいない。
各地域の素行が悪い連中が通うのが主で、本当の不良は基本的に高校などには行かず、現場仕事に就職し独立を目指すような地域。
授業が始まっているが、真面目に先生の話を聞いている者などほぼいない。友達と喋っている者、上半身裸で寝ている者、先生に対して物を投げて遊んでいる者、スマホをいじっている者。
しかし教室の中央の席で、あきらかに周りとは空気が違う青年がいた。赤い長い髪で口しか見えないので、表情が見えないが、しっかりノートを書いている様に見える。
ただ書かれている内容は黒板に書かれているものではなく、人の壊し方が図といっしょに詳細に書かれていて、名前が3人書かれていた。
ふと、赤い長髪の青年の口もとを見てみると、三日月のような形で笑っていた。
ーーーーーー
昼休み、赤髪長髪の青年は校内の草むらで野良猫に自分の弁当をあげていた。
三日月のような口ではなく、慈愛に満ちた表情をしながら何匹もの猫と戯れていた。
「(癒されるー、馬鹿な人間と関わるより有意義だな。ずっとこの時間が続けばいいのにな)」
影で青年3人が見ていた。
「なんであのサンドバッグは、約束してたのに汚い猫と遊んでいるんだ?」
「猫を身代わりにするつもりじゃないっすか?笑」
「俺は猫を殴る趣味はねーけど、どうしてもっていうならな…?」
「今日の放課後にでも、見せしめとしてやっちゃいますか!」
下衆な笑顔で眺めていた三人は
次の日、昼休み赤髪長髪の青年は猫を探しに校内を探していたが、一匹も見つからない。
「(あれー、いつも探してれば近寄ってきてくれるのに。誰かがもう餌あげちゃったかな?)」
「おーい、
猿田がニヤニヤしながら突然話しかけてきた。
「サンドバッグ役がなに勝手にうろちょろしてるんだよ!!」
「これが何かわかるか?笑」
五木と百足も出てきて、百足がリボンのようなものをこちらに投げつけてきた。
「ッッ??」
これは大好きな猫たちに可愛くてつけていたリボンだ。
「なにかわかるよな?笑」
「ぜーんぶ、赤陰の代わりにサンドバッグにしちゃったけど、空に向かって感謝でも伝えたらどうだ?」
「10匹以上いたから10日分くらいのサンドバッグだな」
彼らは猫を虫と同類、また赤陰と同類という考えであり、自分の思い通りにならないと虫を殺すように人間も殺すことに躊躇のない人間である。
「オレノダイジニナモノニナニシテンダヨ」
赤陰は無表情で猿田達に近づいていった。
「その薄気味悪い顔やめろや、もっと悲しんで苦しんでくれないとやり甲斐が何もないんだけど?」
「お前も同じようにしてやろうか?ハハっ」
赤陰は近づいていったが、なぜか殴りかからず猿田達にボコボコにされていた。
「(こいつ3人で殴ってるのに声いっさいださないぞ?)」
「(んっ?笑ってないか?)」
「(ひっ!?)」
赤陰は声は出しておらず、髪のせいで表情が全くわからなかったが、口もとが三日月の形をしながら笑っていた。
「(あーっ!なんて幸せなんだ!このタイミングで全ての無念を晴らしたいけど今は我慢して少しずつ料理していこっと♩神様ありがとうございます!)」
猿田はかまわず殴り続けて、赤陰の反応が変わらないことに苛立ち、カバンの中のナイフを取り出し刺そうとした。
しかし突然全員の目の前に、半透明のデジタルモニターが表示された。
「「「ん!?」」」
「...」
猿田達は急に異質な物が現れ、触れようとしたがすり抜けて触れなかった。
赤陰は表情も変わらず、ただモニターを眺めている。
しばらく眺めていると、急に20代ぐらいの男性が表示された。
「どうもー!!!新しい神様でーす♩いきなりだけど世界全体のシステム、ルールを変更するよ!」
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