第13話 この世界で

 美咲と夏休みのバイトのため、ユキさんのお店に。俺にとってはユキさんも初めましてでは無いんだけどな。


 合わせないことには、変なこと言って怪しいってなっても困るし、それにユキさんの俺の見る目は今回はどうなんだろう?


【美咲ちゃん、いらっしゃい!!あっ彼氏さんだね。バイト引き受けてくれてありがとう。途中で嫌になったりしないでね】


【ユキさん、裕二くんって未来が見えるんだって。凄いことにユキさんのことも知ってたよ。後、その他には、えっと、忘れた。じゃ、早速バイト教えて】


【とりあえず座ったら?アイス🍨でも持ってくるから。裕二くんは?アイス🍨&コーヒーかな?美咲ちゃんはいつものね】


やはり覚えてないや。ユキさん。


【ありがとうございます。アイスコーヒー大好きです】


【あざーす!!それにしても暑いね】


 ユキさんが、俺達がお茶してる間に、少しだけだがお客さん来るとテキパキと対応して、料理も素早く。凄いな!!


【美咲、ユキさんて料理出来るようになったんだね。凄く手早くびっくりした】


【はぁ、裕二くん…そりゃこの店一人でやってるんだから当たり前じゃん。何言ってんの?】


【るいさんは?】


美咲は笑い転げて、


【妄想凄すぎて笑えるよ。誰それ?夢の中のアイドルですか?】


【だって、無人島ツアーのインストラクターは?誰やってんの?はるとさん?】


【無人島ツアー?インストラクター?あのね、裕二くん、そういう夢のようなバイトをするつもりだったの?お兄ちゃんも似たようなこといっていたけど。結局海で免許いかした仕事するってもう出て行ったよ。こんな可愛い妹置いて出ていくなんてさ…】


【じゃ、はるとさんは無人島に行く可能性無いんだね。良かった…】


【そんなにお兄ちゃんと親しかった?会ったのいつ?私が記憶する限りかなり子供の頃…】


話を変えないとややこしくなるな。


ユキさんが、戻ってきて、


【お待たせ〜パエリアでーす】


【懐かしい〜相変わらず可愛い!!】


【ちょ…裕二くん、そんな風に言われると照れるじゃない…】


走ってキッチンに行っちゃった…


※バチーン!!※ あいた!!


【何すんだよ!!叩くこと無いだろ】


【ユキさんに色目使わないで!!裕二くん、こんなに女性慣れしていたっけ?なんかお兄ちゃんみたい…同い年だよね?もしかして年齢詐称?詐欺?】


【バカ…んなわけないだろ。ユキさんの仕草があまりにも可愛くてさ。それとさ、さっきからお兄ちゃんお兄ちゃんって、美咲お兄ちゃん大好きだろ?】


【ば,バカなこと、言わないでよ。なんでそんな…】


ユキさんが戻ってきて、


【あー、びっくりした。裕二くん、年上からかわないでね。それとね、美咲ちゃんお兄ちゃん大好きって合ってるよ。いつもいつもお兄ちゃんお兄ちゃんって】


 二人でかまって、美咲は真っ赤にになり泣きそうだ。


 そんなつもりじゃ無かったのにな。ちょっとからかっただけなのに…


 美咲のお兄さんは聞いたこと無かったな。前の時間軸でも海に関係する仕事に着くために早くから家を出てしまったのか。


 思えば何も変わらない。もちろんまだ会ってない人達もいるからこの先は読めない。


 それでいいんだよな。そうじゃなきゃ解っていたらつまらない。


 この時間軸は俺の最後の人生だ。もう2度とジャンプはしない。とにかく美咲のお兄さんも無事だったんだから。


 この夏休みから始まるんだ。もう別の時間軸は関係ない。この世界の美咲を好きになってるんだ。


ありがとうな、美咲。


【裕二くんってば、大人っぽくなったよね〜ずっと見てきたから解る。うん、好きになって良かった。ねぇ、私達も船舶免許取らない?】


うげ!!あの勉強をもう一度するのか…


【うーん、どうするかな?美咲は免許取ってどうするつもりなの?】


【ここで働こうかな?勉強嫌いだし、補習もサボろうって思ってるくらいだから…さぼる?】


【何で俺もなんだよ!!卒業するためにサボっちゃヤバいだろ】


こんなだったのか?美咲。じゃ無理していたのかな?なんとしても大学って、親の期待に答えようと…


【じゃ、卒業してここで一緒に働こうよ、ねっ、裕二!!ん?あれ?なんか自然に裕二って言っちゃった…】



ご愛読、本当にありがとうございました。






 








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始まりの夏 ラグランジュ @space-time

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