第12話 変わる世界
美咲と教室を出て、帰り道を歩いてると、
【美咲〜いつなの?付き合ってたの知らなかった。教えてよね】
美咲の友達達か。そりゃそうなるわな。
【近所だからね、さっき告られたばかりだよ】
告ってないけどな。
パニックにならない俺は解ってるからだ。3年前の世界に戻ったんだ。
途中ではるとさんは、ブレスレッドが壊れて離れ離れに。でも、何故か絶対に大丈夫だと思える確信があった。だって、るいさんがくれたブレスレッドだからね。
【ねぇ、さっき何で明日のこと止めたの?】
あっ、そうか!!
【いや、波高くなること知っていたからさ。俺船舶免許もってるじゃん。多少は海の知識あるって】
【いつ取ったの?】
【何言って、美咲だって…あれ?落としたかな?とにかく本当に…】
そうか!!これから取るんだ。この時間軸では、まだ取ってないんだ。
【裕二くん、なんか変。私のこと美咲って呼ぶし、船舶免許持ってるとか、明日のボートに乗るなとか。もしかして未来見えるの?】
美咲は何も知らないんだな。この時は何も。
【うん。見えるよ。例えば、美咲が少し先の未来が見えるようにね。俺の方が上位だけど。あと、美咲がお兄ちゃん子ってこともね】
美咲は驚いて、
【なっ!!そんなこと無い!!でも、先読みのことは誰にも言ってないのに。ねぇ、私達どうなるの?未来では?】
【知りたい?お兄さんに絶対に無人島の方にボートで行かないようにと。そこでお兄さん事故に遭ってしまうからと。これは伝えておいて】
【私達のことは、いいや。お兄ちゃん事故に遭うの?それは絶対なら伝えておくね。お兄ちゃんの事故なんて嫌だもん】
俺が3年前に、しかもこの場所に戻ってきた意味があるはずだ。何をすべきなのか…
【美咲、バイクの免許取りに行こうよ!!】
美咲は、口を抑えて、
【嘘!!そんなことまで読めるの?じゃ、私が言いたかったこととか解ってるの?】
【解るよ。俺と付き合いたいってこともね】
美咲は笑って、
【ハ、ズ、レ!!本当はね、近くてバイクの免許を取るために教習所通ってくれる暇そうな人探していただけなのです】
なんだ?それで話しかけてきたのか…
【あっそ!!じゃ、美咲はお兄ちゃんいれば、それでいいね。俺は夏のバイト先のユキさんと付き合っちゃおうかな〜】
【何でユキさんのことまで…もう怖いって!!でもね、はるとお兄ちゃんがユキさんと付き合ってるから無理でーす!!】
なんだって??
はるとさんがお兄さん?美咲の?
慌てて美咲の肩を掴んで、
【はるとさんが?美咲のお兄さん?ユウジさんって名前じゃなかった?】
【ちょ、ちょっと…こんなとこで。離れてよ。そりゃ、裕二くんみたいな彼氏、嫌じゃ無いけど、いきなりは…ん?はるとお兄ちゃんのことなんか言った?】
【いや、なんでも無い。忘れて】
変わり過ぎてるな、この世界。
ついていけるのか?俺。
はるとさんが美咲のお兄さんなら、
るいさんは?ユキさんは?さきさんは?
訳わからなくなってきた。会うしかないな。
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