第11話 戻るべき場所

俺達は走って、るいさんのところへ。


【るいさん!!凄く心配したんだぞ】


はるとさんは駆け寄って、そして…あれ?


【いないぞ!!どこに?】


さっきまでここに?


【分かれて探しましょう。近くにいるはず】


俺とはるとさんは、反対方向に走り出して。



どこ行った?



ん?うわっ!!なんだ?



何かに引っ張られて、俺は草むらに。


【るいさん!!なんで隠れるんですか?】


【会うわけにはいかないの。解って!!はるとはきっと無茶をする。私に会えば。お願い、私を見逃して!!】


【るいさん…そんな…】


【久々に笑えて楽しかったよ。本当に彼氏に思えて。ありがとう。あのね、これ、はるとの腕につけて。そして、元の時間軸に戻って。はると何度もジャンプして無茶してるから。あと、これ特殊だから絶対にはるとにつけて。お願い。じゃね、元気でね】


【るいさん、まだ探すんですか?】


【探さないよ。行き先は解ってる。とにかく、はるとをお願い!!】


とっさにるいさんの腕や握り、


【裕二?】


【もう会えないんだね…るい…】


 抱きしめているから、るいさんの表情が解らない。解るのはショートカットのるいさんの甘く優しい香りだけだ。


抱きしめていて解る。るいさんに迷いはない。


もう止められない。


【裕二、安心する匂いがする。もっと早く出会っていたら…今までありがとう。さようなら】


るいさんは、走って行った。


捻挫してるのに、痛いだろうな。




【おーい、見つかったか?ん?なんだこれ?】


【はるとさん、行きますよ!!】




………………………………………………………




※パリン!!※


何か音がした?




………………………………………………………




※【はい、みなさん先程の内容をよく考えて羽目を外さないように。次の登校日は…】※


【おい、今夜な!!】

【解ってるよ。とりあえず家でいいけど、明日は両親いるから無理だぞ!!】

【楽しみ〜ねっ、花火大会の日は?】

【大丈夫!!予定入れてないから】

【明日彼氏と出かけるんだよね?いいな〜】



ここは?



※【えーと、最後に…羽村くん、以上5名は夏季補習を行います。明日遅刻、欠席せずに来るように】※


補習?なんで学校に?


先生は素早く教室を出て行った。


【羽村、お疲れっす!!】


美咲?


【美咲…お疲れ。なんで名字で呼んだ?】


【えっ?それこそなんで私を下の名前で呼ぶの?】


だって、いつもそう呼んでるじゃん。


【普通だろ?美咲。どうかしたのか?】


【…別にいいけどさ。じゃ私も裕二くんって呼ぼうかな?】


【裕二でいいよ。今更くんなんて】


【そんなだったっけ?私達って。あつ!そうそう明日良かったらお兄ちゃんと海行かない?お兄ちゃんね〜船舶免許とって初めてボートに】


お兄ちゃん!!美咲のお兄さんか!!!


【止めろ!!絶対に行かせるな!!!】


【何それ!!なんで裕二くんにそんなこと言われなきゃならないのよ!!そんなに補習大事なの?】


【お前も呼ばれていただろ!!そんなことよりも、とにかく行かないでくれ!!頼む。お兄さんも無人島に行くの止めてくれ!!】


その時、美咲の携帯が📱


【何?まだ学校…えっ?波が高く明日も?…うん…解った…楽しみにしてたのに〜】


美咲、誰と話をしてたんだろ。


【あーあ、楽しみにしていたのにな〜】




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