第30話
1週間が経った。
《デビル・イーター》の販売数は上々だ。《ノワール・ネージュ・イリュジオン》に関しては想像以上の事が起こった。発売初日に5億ダウンロードを達成した。これは世界記録らしい。まぁ、これは俺達の力ではなく響野祥雲の力だ。でも、100年以上前に亡くなった彼の影響力はまだ衰えないと考えると恐ろしく感じる。そして、悔しくも思える。
響野祥雲に少しでも近づきたい。いや、追い抜きたい。だから、これからもゲームを作っていかないと。
俺と真珠と桃愛はワークスペースのテーブルにご馳走を並べた。これから《デビル・イーター》の販売と《ノワール・ネージュ・イリュジオン》の発売を祝して、打ち上げをするのだ。
俺と真珠と桃愛はそれぞれジュースが入った紙コップを手に持っている。
「遊ちゃん。乾杯の音頭を」
「お、俺か?」
「うん。だよね。真珠ちゃん」
「そうだね。今回はアンタに譲ってあげる」
真珠はまた普段通りのつんけんした真珠に戻ってしまった。なんか寂しいな。でも、その方が楽でいいか。
「お、おう。それでは《デビル・イーター》と《ノワール・ネージュ・イリュジオン》の発売を祝して乾杯」
「乾杯」
「乾杯」
俺達三人はジュースが入った紙コップで乾杯した。そして、ジュースを飲む。
こうやって楽しむのもゲーム作りのいい所だ。でも、これが終われば次の作品の事を考えなければならない。だって、俺達はゲームクリエイターだ。新しいゲームを作って、ユーザー達に遊んでもらわないといけない。
ゲームは楽しい物だから。色んな人達を楽しませる事が出来る娯楽だから。そして、なによりもゲームが大好きだから。
俺達は止まらずに歩み続ける。最高のゲームを作るために。
リジェクト・ゲーム APURO @roki0102
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