深夜の帰宅、あなたの背後に何がいる? けっして振り返ってはいけません。

この作品「不思議な挙動の正体は…」は、深夜に帰宅する主人公が遭遇する不思議な挙動の男性の描写が非常に不気味で、読者に不安感を与えます。727文字という極めて短い中で、緊張感と恐怖を巧みに表現しており、短編の魅力が詰まっています。

普段の生活の中で起こり得る出来事を題材にしているため、他人事ではないリアリティがあり、共感しやすい点も魅力です。

エンディングで綴られるどんでん返し。エレベーターの閉ボタンを叩きまくる連打の音が耳に残ります。その挙動不審の正体が「ただの握りこぶし」だったとしても、僕は怖そうで怖くない、いや少しだけ怖かったです。それとなく香る、ひとときの恐怖感をありがとうございました。