第28話 20XX年9月18日


 話は一昨日からの続きなんだけど、私が無意識でライジングショットを打てなくなっちゃっていたので、庭野選手がコーチにお冠でした。

 そして「手っ取り早く元に戻すには、荒療治をするしかないわね」そう怖そうな一言を呟いたのでした。


 ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 最近↑この使用頻度が高い気がするw


 結果から言わせてもらえれば、見事に庭野選手の荒療治が功を奏して、私の無意識ライジングショットもどきは、無事に打てるようになりました!

 それも、Ver.1.5ぐらいに進化して!


 世界の庭野ってマジパネェ……


 でも、世界ランク一位の選手がジュニア2760位とかの選手を相手に、二時間ぶっ通しで連続してサーブを打ち込んでくるのを大人げないと思うのは、私の被害妄想なのでしょうか?

 しかし、その大人げない荒療治のこうかはばつぐんだ!


 たったの二時間で、二週間分の練習と同じ成果を出したみたいなモノだからね。

 さすが、世界の庭野は凄かった!


 一歩間違えれば、練習の名を借りた、扱き、体罰、児童虐待、それらスレスレのスパルタ特訓だったような気もしないでもなかったけど……

 娘のわかばちゃんが嬉々として、お母さんに素早くボールを手渡していたのが、サーブが途切れなかった本当の原因だったよ!


 もっとも、そのスパルタ特訓のおかげで、こうしてライジングショットが進化して戻ってきたのだから、庭野選手とわかばちゃんには感謝なんだけどね!

 庭野選手が無料で、私に二時間もサーブを打ち込むメリットなんて、本当はないしね。


 わかばちゃんの遊びだった可能性がなきにしもあらず?


 だけど、私に考えさせる時間を与えるよりも早くに、次々とボールがコートに打ち込まれてくるのだから、私が考える時間がどんどんと削られて行って、しまいには無心で返していたら、それがライジングショットになっていたんだよね。

 これが、考えるんじゃなくて感じるという、無意識下の行動なんだと思う。


 庭野選手が言っていた意味がなんとなく理解できた瞬間だったよ。


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土佐まはりのドサ回り日記! @katakuchi-iwashi

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