暑さだけを描いていては「夏」ではない。「冷たさ」を描く必要がある。

 本作は、「夏」がお題の自主企画用に書かれた。
 夏を舞台にしており、細かい描写からも暑さが感じられる。
 しかしながら、現代日本においては、暑さを描写するだけでは、夏を描いたとは言えない。夏の「冷たさ」「寒さ」も描いてはじめて、十全の夏を描いたと言える。
 その点で本作はヒロインに雪女を置くことで、奥行きのある「夏」を描くことに成功している。

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