バランスのよい作家
- ★★★ Excellent!!!
2025年12月3日現在までに投稿されている、5000字以下の短編をすべて読んだ。
そのすべての作品に言えることだが、「奇抜な設定(アイデア)」を「ちょうどいいオチ」で落としている。このふたつが相乗効果を生んで、この作者らしい諸作品を生み出している。
とくにこの「地球の愛した人類」は、個人的にそのバランスがよいように思った。
「奇抜な設定」を思いつくだけでもすごいことだが、それを活かす文章力(破綻しないオチで落とす)も兼ね備えている人はなかなかいない。
こんな奇抜な設定で、どう落とすのだろうかと、読むたびに、書き手のひとりとしてハラハラしたが、ほとんどの作品で見事に着陸している。
これからどういう作品を生み出すのか、新作が楽しみな作家である。
おもしろくて、うまいなとうならせてくれる作品たちを、みなさん、ぜひ、ご一読あれ。書き手の人にとってはよい勉強にもなると思う。こう書けばよいのだと。書いてみると、ずいぶんとむずかしいけれど。